私たちが日々生活する中で、お金は非常に重要です。特に、車や住宅など大きな買い物をする場合は、手持ちの資金では足りず、ローンを組むこともあるでしょう。

しかし、いくつものローンを組んで支払いが滞ってしまうと、任意整理を行う必要が出てくるかもしれません。

任意整理を行うと信用情報に傷がつき、一定期間クレジットカードを利用できなくなったり、新たなローンを組めなくなったりするため注意が必要です。

今回は任意整理について、実施するメリットとデメリットを紹介します。記事の後半では、任意整理に至らないように行える改善点も紹介します。

任意整理は信用情報に注意

任意整理を行うと信用情報に傷がつき、日々の支払いに関して様々な支障をきたします。

そのため、負債を抱えて支払いが難しくなった場合に必要な手続きですが、行う際のメリットとデメリットを把握した上で手続きに進む必要があります。

現在、様々なローンの支払いがうまくいかないと悩んでいる方は、任意整理について理解を深めた上で専門家に相談してみましょう。

任意整理とは?

任意整理とは?
ここでは、任意整理について、その概要とメリット・デメリットを紹介します。

任意整理は自分で支払えなくなったお金を一度支払いやすくするために目処をつけてもらうものです。しかし、利用すると信用情報に傷がつく、いわゆる「ブラックリストに載る」注意点があるため、慎重な判断が必要です。

任意整理のメリット

任意整理のメリットは下記の4つです。

  • 債務の督促や取り立てがなくなる
  • 返済額の減額
  • 財産を手放さずに済む
  • 周囲にばれるリスクが低い

任意整理を行った場合、債権者から借金を抱える方に対して督促や取り立てがなくなります。弁護士などが間に介入することによって直接取り立てができないとの取り決めがあるためです。

また、任意整理を通して債権者と交渉した場合、利息がカットされるケースが多く、毎月の返済額を抑えられる点も心強いでしょう。

さらに、自己破産では財産の差し押さえがありますが、任意整理では財産を手放す必要がありません。任意整理の対象から車を外すと、現在所有している車にそのまま乗り続けることも可能です。

そして、任意整理は信用情報に登録されるものの、公には記されません。そのため、第三者にばれるリスクが低くなるでしょう。

任意整理のデメリット

任意整理を行うデメリットは下記の3つです。

  • 信用情報機関への登録がなされる
  • 返済義務は引き続き発生する
  • 収入がなければ活用できない

任意整理もまた、信用情報に傷がつく項目です。そのため、任意整理を行うと5年や10年などの間にクレジットカードを作ったりローンを組めなくなったりするでしょう。

さらに、返済する義務は引き続き発生するため、金額は抑えられるものの支払いを続ける必要があります。

任意整理は引き続き債務を支払っていくため、収入がなければ手続きを行えません。学生や主婦の場合は返済に協力してもらえる人がいる場合にのみ可能です。

任意整理はたくさんの負債を抱えている場合に活用できるものの、場合によってはデメリットの方が大きく影響する可能性もあります。専門家に相談し、本当に実施すべきかを慎重に決定しましょう。

任意整理が含まれる「債務整理」とは?

任意整理が含まれる「債務整理」とは?
ここからは、債務整理について詳しく紹介していきます。

債務整理は「任意整理」「個人再生」「自己破産」が含まれます。それぞれ意味合いが少しずつ異なるため、理解を深めましょう。

個人再生とは?

個人再生は裁判所を介した手続きで、任意整理とこの点が大きく異なります。この手続きでは負債を最大で5分の1から10分の1程度にでき、かつ自宅を手元に残すことも可能になります。

任意整理と後述する自己破産の中間の手続きとイメージしましょう。

個人再生の場合、借金の総額が100万円以上、かつ5,000万円以下であることや3年から5年程度で返済できる見込みがあることなど、条件が定められています。

自己破産とは?

自己破産は任意整理と異なり、裁判所を介して手続きを行います。これまで積み重ねてきた借金の支払いは、原則として全額免除になるものの、保証人への負担が大きかったり、車や住宅などの財産を失うことになります。

また、自己破産すると、官報に住所や氏名が掲載されるため周囲にばれる可能性も極めて高いでしょう。

あまりにも負債の金額が大きい場合は、最終的に検討する必要があります。

任意整理をしたことは周囲にばれますか?
任意整理は該当する契約において家族や会社関連の方が含まれていなければ、基本的にばれることはありません。
しかし、任意整理を行った際の封書を家族に見られるとばれる可能性があるでしょう。

そもそも信用情報とは?

そもそも信用情報とは?
ここからは、任意整理に関係する「信用情報」について解説します。

信用情報は自身の支払いについて掲載されているため、不安を抱える場合は一度確認がおすすめです。

これまでの支払い情報が載っているもの

信用情報は、これまでの自身のクレジットカードを使った経歴やローンを契約した経歴など、支払いに関する事柄を客観的事実として記録したものを指します。

信用情報は、信用情報機関と呼ばれるところが管理しており、任意整理や料金の未払いなど、支払いでトラブルが発生した際に登録されます。

一般的に信用情報に傷がつくことを「ブラックリストに載る」と表現しています。

参考までに、ブラックリストという具体的なものは存在しません。要注意人物となることからブラックリストに載るといった表現がなされているのです。

含まれない項目

信用情報には支払いに関する様々な事柄が記載されますが、下記の項目は含まれません。

  • 公共料金の支払い
  • 人種や思想
  • 保険医療に関する事柄
  • 犯罪歴

ブラックリストと聞くと、どうしても危険人物というイメージがあることから、これまで犯罪を犯した場合、記載されているのではと懸念することもあるでしょう。

しかし、信用情報においてはお金の支払いに関する記載のみがなされています。

公共料金の支払い

光熱費については信用情報に登録がされません。しかし、水道や電気代等、公共料金については財産の差し押さえが行われるため注意が必要です。

信用情報に傷がつかないのであれば「支払わなくても良いのでは」と考えるのは間違いです。各種財産が差し押さえになると、信用情報に傷がつくことと同様に生活に支障をきたします。

さらに、財産の差し押さえに発展すると、会社や周辺地域の人にばれてしまうことも考えられます。いずれもきちんと支払いを済ませないと重い代償がまっているのです。

任意整理を行ってからできなくなること

任意整理を行ってからできなくなること
ここからは、任意整理を行い、信用情報に傷がつくと「できなくなること」について解説します。

信用情報に傷がつくと、支払いに対して金融機関や各機関から信用度が下がっている状態です。そのため、現金払い以外の選択肢が難しくなるでしょう。

クレジットカードを作れない

まず整理を行うと、クレジットカードが新たに作れません。現在所有しているカードの更新も不可能です。

クレジットカードが使えなくなると、これまで公共料金や保険料の支払いを引き落としで行っていた場合、新たな手続きが必要です。

また、後払いという選択ができず、ものを購入する際はいつも手元に現金が必要となるため、資金面でのやりくりが難しくなるかもしれません。

近年、主流になっているバーコード決済もクレジットカードと紐付けている場合は使用できなくなる恐れがあります。

ローンを組めない

任意整理を行い、信用情報に傷がつくとカーローンや住宅ローンを組めなくなります。

ローンを組む際は必ず審査が必要です。審査では年齢や年収等属性のほか、信用情報も確認されます。

年収が十分に足りていたとしても、信用情報に傷がついていると「支払いが困難になるのではないか」と懸念され、審査通過が難しくなるでしょう。

特に、車においては通勤で使っている場合、なくてはならない存在です。そのため、カーローンが組めないとなると、生活に支障をきたす可能性もあるでしょう。

保証人になれない

信用情報に傷がつくと保証人にもなれません。そのため、家族や友人から「保証人になってほしい」と申し出があった場合も断ることになります。

保証人は契約者が支払いを行えなくなったり、何らかのトラブルが発生した場合に、代わりに返済を行ったり、賠償責任を負ったりする役割です。しかし、その立場の人が支払い能力がないとみなされると、保証人の役割を果たせません。

子どもから「車を購入するから保証人になってほしい」と言われても、断ることになるでしょう。

分割払いができない

信用情報に傷がつくと分割払いを利用できません。そのため、スマートフォンも現金で一括購入することになるでしょう。

分割払いは「支払いの信用ができる」ということを前提に行えます。そのため、これまで未払いや滞納または任意整理等のお金でトラブルがあった人は分割払いを利用できません。

賃貸契約ができない

賃貸契約においても信用情報は関係しています。

賃貸も各種ローンと同様に毎月まとまった金額を支払うものです。そのため、支払いに滞納があったり、遅延があったりする場合は、賃貸の審査に通らなかったり、選べる物件が少なくなったりします。

保証人を立てると契約できることもありますが、一般的に契約するよりも手間がかかったり、事前に支払う金額が高くなったりするでしょう。

信用情報に傷がつくと携帯も分割払いはできませんか?
スマートフォンの分割払いも不可能です。「分割払い」とつくものは基本的に利用できないと考えましょう。
これまで家具や家電をクレジットカードの分割払いで購入していたのであれば、今後しばらくは現金でまとまった金額を用意して購入に進む必要があります。

任意整理を避けるコツ

任意整理を避けるコツ
ここからは、任意整理により信用情報に傷がつく事態を避けるため、注意したい生活のコツを紹介します。

任意整理が発生してしまう理由としては、収支バランスを考えていない出費が原因です。事前にどれぐらいの収入があって、どのようにお金を使うのかを考えた上で持っている資金を使っていきましょう。

お金の使い方を見直せば、お金が足りないといった状況を少しずつ減らしていけるでしょう。

収支バランスを見直す

収支バランスを見直すには、自分がどれくらいの収入で、毎月どの項目でいくら出て行っているかを明確にする必要があります。

また、家族がいる場合は、家族の収入を把握した上で、毎月家庭全体でどれくらいのお金がかかっているかを計算しましょう。

この時に役立つのが家計簿です。手書きのものでもスマートフォンのアプリでも構いません。まずは自分がどれくらいの金額を使っているかを把握しましょう。

そして、収支が把握できると赤字になっている部分を見つけたり無駄遣いをしている場所が見つかります。また、固定費が思ったより高くなっている場合は、利用しているサービスを見直してみるのも1つの手です。

車など高い固定費を見直す

家計の改善には固定費の見直しが大切です。

例えば、現在既にローンを組んでいるのであれば、ローンの借り換えや見直しを行いましょう。また、車を保有している場合は、維持費がかかるため、車の持ち方を考えなおす必要があります。

具体的には、現在車を2台保有しているのであれば、1台で済ませられないか検討する。また、普通車で維持費がかかっているのであれば、軽自動車に変えてみるといった方法があります。

さらに、車そのものの維持費を高く感じるのであれば、必要に応じて売却したり、カーリースを検討する必要もあるでしょう。

参考までに、カーリースの場合は月額〇〇円と固定されているため、車検代や自動車税等が発生しません。

車の所有方法は固定費の見直しにおいて必ず実施したい改善ポイントです。

支払いのシミュレーションを専門家と行う

家計の無駄を省けたら、毎月のシミュレーションを専門家と行っていきましょう。なお、自分で固定費をうまく削れない場合も専門家に相談し、一緒に改善していく方法が適しています。

お金の相談先としては、自治体で実施しているお金にまつわる相談会やファイナンシャルプランナーへの依頼などがあげられます。

地域の広報誌を見ていると無料相談会が実施されていたり、ファイナンシャルプランナーのセミナーで無料相談会を実施していたりというものが見られます。まずは無料のもので相談してみましょう。

近年はお金に注目する方が増えており、週末になるとたくさんのお金に関するイベントが催されています。また、オンラインで参加できる相談会もあるため、イベントや講演会などの情報を確認してみましょう。

任意整理の相談先

任意整理の相談先
支払いを見直したり改善しても、やはり任意整理が必要だと考えた場合は、各種相談を行います。

ここからは、任意整理の相談を行える場所について解説します。弁護士や司法書士だけでなく、各自治体で催されているイベントや相談会を活用する方法も検討しましょう。

6つの機関を利用しよう

任意整理の相談をしたい場合、下記を活用しましょう。

  • 司法書士事務所
  • 弁護士事務所
  • 法テラス
  • 日本貸金業協会
  • 日本クレジットカウンセリング協会
  • 市の法律相談

司法書士や弁護士に依頼すると「ただでさえお金が無いのに相談料は支払えない」と考える方もいるでしょう。しかし、初回の相談が無料だったり時間によって無料だったりする事務所があるため、お住いの地域で探してみましょう。

また、自治体では無料相談を実施しているところもあるため、まずは相談をし、かかる費用や具体的な見通しを立ててもらいましょう。

弁護士や専門家に相談する際「お金がかかるから」と解決を諦めていれば、どんどん負債が積み重なるだけです。早めに負債を減らし、信用情報の傷をなくしましょう。

任意整理の相談には費用がかかりますか?
債務整理の場合、相談を何度でも無料で受けつけている弁護士事務所が多く見られます。そのため、身近な弁護士事務所でかつ無料で相談できるところをチェックしてみましょう。なお、現在返済の取り立てが来ている場合、弁護士に任意整理の支払いを依頼開始すると、返済や取り立てがストップすることもあります。そのため、現在の状況に苦しんでいる場合は、早めの行動がおすすめです。

まとめ

①支払いが困難になり、任意整理を行うと、信用情報に傷が付き、いわゆるブラックリストに乗った状態になる
②債務整理は、任意整理、個人再生、自己破産が含まれるが、いずれも信用情報に傷がつく
③信用情報に傷がつくとクレジットカードを使用できなくなったり、新たにローンを組めなくなったりとデメリットが多い
④現在支払いが困難なのであれば早めに債務整理を行い、早めに負債を減らし、信用情報の傷をなくしましょう
⑤収支バランスを見直しても支払いプランに見通しが立たない場合は、専門家への依頼も検討する

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グーネット定額乗りマガジン編集部
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