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信用回復ローンの用途は、金融トラブルや雇用形態・勤務年数などにより一般的なローンを使って車を購入できない方を対象にした融資です。
車の購入時に使えるローンの選択肢は複数あり、それぞれの特徴について理解しておくことが重要です。
この記事では、信用回復ローンについてメリットやデメリット、効率的な活用方法などを解説します。利用の手順も紹介するため、信用回復ローンが気になっている方は、参考にしてみてください。
信用回復ローンと自社ローンの違い
信用回復ローンは、一般的なローンでは審査に通れなかった方を対象にしたローンのひとつです。返済能力を重視しており、返済実績は信用情報に登録されるため、信用回復に貢献します。
自社ローンは、信用回復ローンとよく間違われるローンのひとつです。それぞれの特徴や違いについて理解しておくことがとても重要です。
信用回復ローンとは?

信用回復ローンとは、独自の審査基準を設けており信用情報よりも現在の返済能力を重視しているローンです。金融トラブルの経歴があっても審査に通りやすいことが特徴で、完済すれば実績として信用情報に記録が残されます。
ローン会社側からするとリスクのある融資なため、金利が相場よりも高く設定されています。金利が高いと毎月の支払い額は抑えられても総支払額は高くなってしまうため、返済計画は慎重に立てましょう。
金融トラブルがあったり、複数の借入れを行っていたりして一般的なローン審査に通らない方に信用回復ローンは適しています。
自社ローンとは?

自社ローンは、独自の審査基準を設けており、審査に通りやすい点では信用回復ローンと共通していますが、この2つは別物です。
自社ローンは「ローン」と呼ばれていますが、販売店と購入者が直接分割払いの契約を結ぶ仕組みであり、金融商品ではありません。そのため、金利や利息は発生しませんが、大半の自社ローンを提供している販売店で利息相当額の手数料が上乗せされています。
完済しても信用機関に登録はされないことと、利用できる販売店は限られていることに注意が必要です。
信用回復ローンのメリット
信用回復ローンは、審査基準が柔軟であり信用情報に不安を感じている方でも比較的利用しやすいことが特徴です。
審査に通りやすいことは大きなメリットですが、信用情報の良いポイントはそれだけではありません。信用回復ローンの名前の通り、「信用を回復させる」ことに貢献してくれるのは信用回復ローンならではの魅力です。
ここからは、信用回復ローンのメリットについて詳しく紹介します。

信用回復ローンはその名の通り、信用を回復するためのローンです。独自の審査基準を設けていますが、信用情報機関に返済履歴を残せるため、今後の審査を受ける際にプラス要素として活用できます。
同じ独自基準で審査が柔軟である自社ローンは、信用機関に関与せず完済しても記録は残りません。また、銀行系ローンやディーラーローンは信用情報機関の記録を元に審査が行われるため、金融トラブルの経歴があるとそもそも利用ができない可能性があります。
このようなことから、ローンを利用しながら傷ついた信用情報の回復に貢献できることは、信用回復ローンならではのメリットです。
車のローンを組む際には、車両価格の1割程度は頭金として用意したり保証人を立てたりすることが基本ですが、信用回復ローンは頭金も保証人も原則必要ありません。
保証人は申請者が支払い困難になった場合、申請者に代わって支払いを行う責任が科せられます。安定した収入がある方なら保証人になれますが、リスクがあるため保証人を依頼する際はしっかりと理解を得る必要があります。
また、急に車が必要になった際には数十万円まとまった費用を用意することが難しい方も多いでしょう。
信用回復ローンなら、誰かに保証人を依頼したりまとまった費用を用意する必要もないため気軽に利用できることが魅力です。

信用回復ローンは分割回数に融通が利くため、毎月の支払い金額を調整しやすいメリットがあります。
支払い回数が少ないと、1ヶ月あたりの支払い金額が高額になってしまい、生活がキツくなったり、そもそも購入する車の選択肢が限られてしまったりします。
例えば、自社ローンの場合はリスク回避のため、支払い回数の上限は24~48回程度であることが大半ですが、信用回復ローンは業者によって120回払いも可能です。
10年払いとなると利息も高くなりますが、希望する車を選んで無理のない返済計画を立てられることが信用回復ローンの強みです。
ただし、信用回復ローンで未払いや滞納をしてしまうと、評価はさらに悪くなってしまうため気を付けましょう。
信用回復ローンのデメリット

信用回復ローンは魅力の多いローンのひとつですが、金利が高かったり、GPSが設置されていたりとデメリットもあります。
後悔しないようにするためには、契約前に注意点も確認しておくことが重要です。仕組みや注意点をよく理解したうえで契約を結ぶことで、より不安なくカーライフを送れるでしょう。
ここからは、信用回復ローンのデメリットについて、詳しく紹介します。
信用回復ローンの金利は5~15%程度と、銀行系ローンやディーラーローンよりも高く、利息が膨れてしまうため注意が必要です。
信用回復ローンは、主に債務履歴や滞納歴のある方、フリーランスや非正規雇用者など一般的なローン審査に通りにくい方を対象にしています。そのため、信用回復ローンの業者側からすると、融資はリスクがあるといえるでしょう。
このような理由から、信用回復ローンの金利は高めに設定されています。
支払い回数の上限は高く、回数を増やすほど毎月の支払額は抑えられますが、総支払額は高額になってしまうことがデメリットです。

信用回復ローンで購入した車には、GPSが搭載されています。このGPSは「MCCS」と呼ばれ、遠隔でエンジンの制御や居場所を特定することが可能です。
GPS(MCCS)が搭載されている理由は、信用回復ローンは一般的なローンよりも未払いのリスクがあり、返済が滞った際に位置情報を確認し、車を回収したりエンジンを制限したりするためです。
返済を適正に行っている分には影響はありませんが、「監視されている」と感じてしまう方もいるでしょう。完済すればGPSは取り除かれますが、長期的にGPS端末が設置されることはデメリットのひとつです。
審査が柔軟であるとはいえ、必ずしも審査に受かるというわけではありません。審査基準が一般的なローンと異なり、過去の信用情報の経歴よりも申し込み時点での返済能力を重要視しているというだけで、審査がないわけではないため注意が必要です。
年収、雇用形態、勤務年数、ほかの借入れ状況などが審査で見られているポイントで、借入れ希望額に対して返済能力がないと判断されてしまうと、審査には通過できません。
借入れ希望額を調整することで、審査通過率を上げられるため、審査に自信のない方はとくに返済計画を慎重に立てましょう。
過去の金融トラブルの有無よりも、申し込み時点での返済能力を重視しており、ローンを支払っていける収入があれば、他のローン審査に落ちてしまっても利用できる可能性は十分にあるでしょう。
信用回復ローンの使い方

信用回復ローンの特徴を理解し、自分に合っていると判断した場合でも、どこから申し込めば良いのか分からない方も多いでしょう。
信用回復ローンは、どの自動車販売店でも取り扱っているわけではないため、注意が必要です。また、ローン審査には「仮審査」と「本審査」があり、段階的に審査を受けます。
ここからは、信用回復ローンの使い方について解説します。
仮審査は、本審査を受ける前に基本的な情報で大まかに審査するものです。
仮審査の申し込みをする時は、収入を含む個人情報の提出が必要で、借入れ希望額や購入したい車種を決めておくと手続きがスムーズに進められます。
業者によってオンラインで仮審査を受けられる場合もあるため、手軽に受けてみたい方は利用してみましょう。
なお、仮審査の結果は即日分かる業者もあれば、数日から1週間程度かかる業者もあります。必要書類や手続きの流れは信用回復ローンの業者によっても異なるため、案内された内容をよく確認しておきましょう。
仮審査に通ったら、次により詳しい情報を提示して本審査を受けます。本審査では、仮審査ではなかった勤務先への在籍確認や、信用情報機関への照会などが行われ、申請内容に虚偽がないかも調べられます。
もし、審査に通りたい一心で年収や勤務先などに嘘をついてしまった場合、ローンの利用を断られてしまうだけでなく、詐欺罪として訴えられてしまう恐れもあるため決して行ってはいけません。
また、仮審査に受かったからといって、必ずしも本審査を通過できるとは限らないため、結果が出るまで先走ってしまわないよう気を付けましょう。
無事、本審査にも通過できれば、晴れて融資を受けて車の購入が可能になります。販売店で車の売買契約を結び、購入へと手続きを進めましょう。
売買契約には、車庫証明や住民票などあらゆる書類が必要になります。自分で書類を準備する場合は不要ですが、多くの販売店では書類の手続きを代行して行っており、その場合は代行手数料が必要です。
購入する車が軽自動車なのか、普通車なのかによっても必要書類は異なりますが、販売店の案内に沿って対応すれば問題ありません。
この書類の手続きは納車スピードにも影響するため、早く手元に車が欲しいと考えている方は、早めの行動を心がけましょう。
契約後、書類の手続きや納車準備が完了でき次第、納車を行います。
納車までの時間は、書類の手続きの早さだけでなく、ナビやドライブレコーダーなどのオプション装備の設置、繁忙期か閑散期かの時期も影響します。とくに繁忙期は納車の件数が多く、人手不足による納車遅れも発生しがちです。
納車スピードを重視するなら、いつまでに納車したいのかを販売店のスタッフに伝えておくことが有効ですが、急がないのであれば急かす行為はおすすめしません。これは、スピードを重視して作業が粗くなってしまうことを防ぐためです。
納車を急ぐにはさまざまな理由がありますが、可能な限り納車にはゆとりを持っておきましょう。
車を入手してからは、契約内容に応じて毎月返済を行います。支払い回数を多くしていた場合は完済までの道のりが長くなりますが、今後収入面で余裕が出てきた際には繰り上げ返済も可能です。
信用回復ローンの目的は、車の購入だけでなく信用回復も含まれています。もし、この信用回復ローンでも返済を怠ってしまうと、信用を回復させるどころか、かえって悪化させてしまうため延滞や未払いには注意が必要です。
返済を遅らすことなく計画的に完済を目指すことで、将来の新規クレジットカード作成時や住宅ローンの審査を受ける際のプラス要素として登録できるでしょう。
延滞記録は、延滞解消日から5年間は信用情報に残ってしまうため、今後のクレジットカードの発行やローン審査に通りにくくなってしまうでしょう。支払い期日は必ず守るよう、余裕を持って行動することが重要です。
信用回復ローンを使用する際のポイント

信用回復ローンは、返済能力を重視してくれるため審査に通りやすい一方で、金利が高く長期的な支払いは利息が膨らんでしまいます。
良し悪しを理解したうえで、賢く信用回復ローンを活用するにはどのような点に気を付けておけば良いのでしょうか。
ここからは、信用回復ローンを効率的に使用するためのポイントについて紹介します。
信用回復ローンをはじめ、あらゆるローンに共通して基本的に契約途中で辞めることはできません。支払い回数によっては、何年も支払いが続くため、契約の時点で無理のない返済計画を立てることが重要です。
例えば、実家暮らしをしている頃に車をローンで購入し、その後は一人暮らしを始めるとなると、金銭面でも今まで通りの生活はできなくなってしまうでしょう。
何年も先のライフスタイルを予想することは困難ですが、あらかじめ支払い金額にはゆとりを持たせておくと安心です。
万が一、信用回復ローンの支払いを延滞してしまうと、信用回復どころかさらに信用情報は悪化してしまいます。
もし、生活に余裕はあり、貯金も十分にできている状態なら、返済を前倒しにして繰り上げ返済を行うことがおすすめです。
信用情報が回復するのはローンが完済されてからであることが、繰り上げ返済をおすすめする要因です。
信用回復ローンを利用していても48回払いの契約なら、信用回復の要素がプラスされるのは契約した時点から4年も先になってしまいます。
また、前倒しに返済を行うことで支払うはずだった利息も減らせます。信用回復ローンは金利が高いことから、利息も大きく膨らんでしまいがちです。
総支払額を抑えることにもつながるため、毎月の支払いとは別にまとまった金額を用意できたら、繰り上げ返済すると良いでしょう。

信用回復ローンと、一括りにしても、業者によって金利や返済条件などはそれぞれ異なります。
選んだ業者で「審査に通る・通らない」や支払い総額にも違いが生じてくるため、慎重に行うべきです。
利用する業者を選ぶ際には、パッと目に入った業者に決めてしまうのではなく、比較・検討を行い自分が重視する条件に当てはまっているかどうかを基準に判断しましょう。
問い合わせを行いスタッフのサービス面で「合わない」と感じるようなケースも、避けておいたほうが無難です。高額の買い物を行うため、気持ち良く利用できる業者を選びましょう。
年収は低いより高いほうが、勤務年数は浅いより長いほうが審査に受かりやすくなりますが、審査に受かりたい一心で虚偽の申請を行ってしまうのは危険です。
申請時に年収を申告しますが、それを裏付けるために源泉徴収票や数ヵ月分の給料明細書を提出しなくてはいけません。そのため、虚偽の申請を行ってもバレてしまいます。
虚偽の申請を行ったことがローン会社にバレると、信用を無くしてローンの利用を断られてしまうリスクや、場合によっては詐欺罪で訴えられてしまう可能性もあります。
このようなことから、申請時の内容は嘘のないよう正直に行いましょう。
信用回復ローンの選び方

信用回復ローンは、業者によって借入上限や最大支払い回数、金利などが異なります。また、中古車しか対象にならない業者や新車・中古車に対応している業者など、利用できる対象の車にも違いがあるため、業者選びはとても重要です。
信用回復ローンは審査基準が独自に設けられていることから、「あっちの業者では審査に通らなかったけれど、こっちの業者なら審査に通った」というケースもあります。
満足なカーライフを実現するには、自分が希望する条件に合った信用回復ローン会社を選ぶことがポイントです。なるべく複数の業者を見比べて、より自分に合った業者を見つけましょう。
まとめ
カーリースに関してのエキスパート集団です。カーリースに関する様々な疑問にお答えしていきます。



