目次
車のローン審査を受けるときに連帯保証人がいない状態でも大丈夫なのか不安になる方もいるでしょう。
また、収入面や返済面で不安がある場合は連帯保証人を求められるケースもあります。
この記事では、連帯保証人の概要から、立てる必要がある人の条件、連帯保証人に適している人の特徴、保証人を立てられない場合の対処法などを紹介していきます。
車のローンは連帯保証人がいなくても申請できる
車のローンは連帯保証人がいない状態でも基本的に申請できます。
しかし、収入の安定性や返済能力に問題があると判断された場合や、一定の条件を満たしていない場合には連帯保証人を求められるケースがあります。
連帯保証人とは?
ここからは、連帯保証人について紹介します。
連帯保証人は重い責任を負うことになるため、引き受けをお願いされても慎重に判断することが大切です。
保証人とは、債務者が金銭を返済しない場合に、債務者に代わって借金を返済することを約束した人です。
保証人は催告と検索の抗弁権が与えられています。
催告とは、相手に対して一定の行為を要求することです。
検索の抗弁権とは、債務者が弁済可能な資産などを所有している場合に保証債務の履行を拒否できる権利です。
連帯保証人とは、債務者が借り入れていたお金を返済しない場合に、代わりに借金を返済する約束を交わした人で、保証人に与えられる催告や検索の抗弁権を排除された人を指します。
連帯保証人はこの2つの権利が認められていないため、債権者側は債務者同様の請求を保証人に行えます。
車のローンで連帯保証人が必要な人
ここからは、車のローン審査で連帯保証人が必要な人の特徴を紹介します。
車のローン審査では、基本的に連帯保証を付ける必要はありませんが、収入が不安定、返済能力に不安があるなど一定の条件によっては連帯保証人を求められるケースがあります。
新卒の方が車のローン審査を受けると連帯保証人を求められる場合があります。
車のローンを組むためには収入の安定性と返済能力があることを示す必要があります。そのための審査基準として挙げられるのが年収や勤続年数、雇用形態などです。
新卒の場合、勤続年数が1年未満のため収入の安定性が低いと判断されやすいでしょう。また、年収に関しても新卒の場合、勤続年数が長い方と比較すると低めの傾向であるため、借入金額が大きいと審査に通りにくくなると考えられます。
雇用形態も大切で、正社員として入社している場合は問題ありませんが、派遣社員や契約社員など非正規社員で入社している場合、収入の安定性が低いと判断されやすいでしょう。
新卒の場合、十分な年収がない可能性と収入の安定性が低い可能性を指摘され、連帯保証人を求められるケースがあります。
収入に対して申込金額が大きい場合も連帯保証人を立てるよう求められる可能性があります。
一般的な借入上限の目安は、年収の30~40%ほどです。また、返済比率の目安は25~35%ほどです。そのため、年収の額によって理想的な借入額は変わります。
返済比率を25~35%としたときの年間の返済額を複数パターン紹介します。
- 年収200万円…50~70万円
- 年収300万円…75~105万円
- 年収400万円…100~140万円
- 年収500万円…125~175万円
収入に対して借入金額が大きいと返済の見通しがもてないとして連帯保証人を立てるよう求められる可能性があるでしょう。
車のローン審査を受ける時点で他に借入がある場合も、返済能力に不安があるとして連帯保証人を求められる場合があるでしょう。
他の借入がある状態で車のローンを組めば、毎月の返済比率が上昇します。収入に対して総返済額の割合が増えれば、返済が困難になると考えられるため遅延・滞納リスクを下げるために連帯保証人が求められます。
他に借入がある状態だと返済の負担が大きいため、返済できるものは完済してから審査を受けるようにしましょう。
学生の場合も収入の安定性に不安があることから、連帯保証人を求められがちです。
学生の本業は学業のため、金銭の収入源は主にアルバイトになるでしょう。そのため、収入が少ないもしくは安定していないと考えられて審査に通れない可能性があります。
また、多くの金融機関ローンでは申込の年齢を18歳以上に設定しています。そのため、未成年は保証人なしだとローンを組めません。
雇用形態が非正規社員だと連帯保証人を求められやすくなります。
契約社員や派遣社員は契約期間を定めて働く雇用形態です。そのため、契約期間後の収入の保証がないと判断されます。
安定した収入を長期的に維持できる保証がないため、長期のローンを組む際には不利になりやすいでしょう。
フリーランスや自営業も、年収自体は十分にあっても収入の安定性がないと判断されやすいため、審査に落ちてしまうもしくは連帯保証人を求められる可能性が高い傾向です。
連帯保証人に適した人とは?
ここからは、連帯保証人に適している人の特徴を紹介します。
連帯保証人は債務者の返済を肩代わりする可能性があるため、もし返済の権利が移ったときに完済できる金銭的な余裕がなければなりません。
連帯保証人としては、収入が安定している成人が適しています。
先述したように、未成年は学生であることが多いため収入の安定性がありません。成人かつ勤続年数が長い人であれば年収も十分にあり、今後も安定した収入が見込めるとして、連帯保証人として認められるケースが多くあります。
成人していても新卒でまだ勤続年数が1年未満、もしくは年収が低めに設定されているなどの場合は収入が安定していると判断しにくいため、連帯保証として認められない可能性もあるでしょう。
連帯保証人の候補者が自分の支払いについて遅延や滞納がないことも重要です。
連帯保証人自身が債務者であれば、自分の借金の返済に追われてしまう可能性があります。また、自分の借入同様に遅延や滞納を繰り返すリスクがあると判断されるでしょう。
債務者が返済不能となり、連帯保証人も返済できないとなれば機関側の負担が大きくなってしまいます。そのため、連帯保証人の信用情報に傷がある場合は認められない可能性があります。
連帯保証人には自分自身が借金をしていない人を選ぶようにしましょう。
ローン審査においては反社会的勢力でない人という条件も挙げられます。
現代の契約全般において、相手が反社会的勢力であると発覚した場合、関係を遮断するための条項である「反社会的勢力排除条項」盛り込まれるのが一般的です。
そのため、ローン審査の契約者本人が反社会的勢力に属していなくても連帯保証人が属していると判明すれば、契約が無効化されます。
自分は該当していなかったとしても連帯保証人が該当していないか確認しましょう。
連帯保証人がいない場合の対応方法
ここからは、連帯保証人がいない場合の対応方法について紹介します。
連帯保証人は債務者同様の責任を負うため、なかなか引き受けてくれる人を探すのも難しいでしょう。
連帯保証人を立てられなくても車を購入したいと考える人は多くいます。車を購入できるよう様々な工夫を試してみましょう。
連帯保証人を立てられない場合は、債務者自身の契約だけで審査に通れるよう借入額の調整を行いましょう。
連帯保証人なしでローンの審査を通過できる借入上限額は年収やその他の審査基準によって異なります。返済比率の目安は25~35%ほどといわれているため、自分の年収を確認して返済比率の目安を越えない金額を計算しましょう。
他の審査基準に不安がある場合はなるべく返済比率を低く設定しておくことをおすすめします。
連帯保証人を立てずに車のローン審査に通過するためには、毎月の返済が問題なく行えることを証明する必要があります。年収に対する返済額が高くても車の種類やグレードは変えたくないと考えている方は、頭金を多めに準備しましょう。
頭金を多く支払っておけば毎月の返済額を減らすことが可能です。返済比率が下がれば連帯保証人なしでも審査に通りやすくなると考えられます。
長期的な返済を考えると毎月の負担額は低いほど安心できます。車のローンを組むときは早いうちから計画を立てて頭金を準備するとよいでしょう。
自分でローン審査を受けて通らなかった場合は、家族名義でもう一度ローン審査を受けてみましょう。
自分の収入が不安定な場合や、過去に借入があって審査に通らなかった場合でも、パートナー名義で審査を受けたら通る可能性もあります。
ただし、パートナーが非正規社員だったり信用情報に傷がついてたりする場合は、審査の通過は難しいでしょう。正規社員として1年以上働き、収入が安定していることが証明できたり、過去に金融事故を起こしていない、現在借入がないなどにより返済能力があると認められればパートナー名義でローン審査に受かる可能性があります。
連帯保証人がいない場合に知りたい!車購入以外の選択肢
ここからは、連帯保証人がいない場合に知りたい車購入以外の選択肢を紹介します。
様々な対処法を試してもローンの審査に通過できない可能性はあります。そのため、別の選択肢も考えておくことが大切です。
カーリースとは、自分で選んだ好きな車に、契約期間を定めて月額一定の料金で乗れるサービスです。
車の購入とは異なり頭金を用意する必要がありません。初期費用がかからないため、まとまった資金を用意するのが難しい方でも利用しやすいサービスといえます。
車の利用頻度が高く数年単位で乗る予定がある方で、車の購入が難しい方はカーリースの利用を検討しましょう。
また、「わ」ナンバーのレンタカーとは異なり、カーリースは一般的な自家用車と同じナンバーとなるため、周囲にリース車と気付かれにくい特徴があります。マイカーと同じ感覚で利用できるサービスです。
レンタカーとは、「自家用自動車有償貸渡」と呼ばれるサービスです。特徴としては、「わ」ナンバーであることと、車検証の所有者と使用者ともにレンタカー会社の名前になっていることなどが挙げられます。
一時的に車を借りられるサービスのため、使用頻度が低く、休日のみの利用、遠方に出かけるときだけの利用など単発で必要になる場合は、レンタカーの利用も1つの手段です。日常的な買い物や通勤の移動は公共交通機関を利用し、旅行時に車を利用したいといった場合に適しています。
予約はネット上で行い、利用する当日に車が置いてある営業所窓口で手続きを行うことで利用できます。
レンタカーは、整備や点検、税金の支払いなどをレンタカー会社が対応するため、維持費がかかりません。利用するときはレンタル費用や保険代、ガソリン代を支払うだけの手軽さがあります。
しかし、カーリースとは異なり都度手続きを行う必要があります。そのため、使用頻度が高いと手続きに手間を感じるでしょう。
カーシェアリングとは、会員登録すると無人のカーステーションに置いてある車を24時間いつでも好きなときに必要な時間だけ利用できるサービスです。
短時間かつ使用頻度が高い場合はカーシェアリングの利用も検討しましょう。車の購入やカーリースとは異なり審査がないため、誰でも利用できる魅力があります。
また、数時間と短い時間の利用であればレンタカーよりも料金が安い傾向です。普段のちょっとした買い物や家族の送迎などにも利用しやすいでしょう。
維持費や保険料、ガソリン代の支払いが不要な点もメリットの一つです。車を購入する場合のように頭金も必要ないため、気軽に会員登録して好きなときに利用できる手軽さがあります。
しかし、広く利用されているのは首都圏が中心で、地方ではまだカーシェアリングサービスが広がっていない可能性があるため、事前に生活範囲内で利用ができるか確認するとよいでしょう。
カーリースのメリット・デメリット
ここからは、カーリースのメリット・デメリットを紹介します。
車の購入よりも手軽に利用ができるカーリースの特徴を理解して、自分の目的と利用方法があっているか確認しましょう。
カーリースは頭金が不要かつ、一定の月額料金で利用できるメリットがあります。購入時のようにまとまった初期費用を用意する必要がなく、カーリース会社が購入した車の本体料金を月額料金として支払っていく仕組みのため、購入よりも手軽に利用できるサービスです。
また、カーリースの月額料金には税金や保険料、車検代なども含まれています。都度別で資金を用意する必要がないため家計管理もしやすく、支払いの計画が立てやすいでしょう。プランを選べばメンテナンス費用も月額料金に含められるため、より手間を削減できます。
カーリースの利用にも審査は必要ですが、車のローン審査と比較すると通りやすい傾向があります。年収が低い場合でもプランや車種、グレードなどを選び月額料金を低く抑えられれば審査に通りやすくなるでしょう。
カーリースの審査対象となる項目は、年収や勤続年数、年齢、雇用形態、債務状況、現在の借入状況など、車のローンと変わりありません。
カーリースは一定の月額料金で、契約期間中自由に車を利用できるサービスですが、車の所有者は使用者自身ではなくカーリース会社です。そのため、車を資産として保有できない点にデメリットを感じる方もいるでしょう。
また、カスタマイズを自由にしたり、好きなタイミングで車を手放したりできないため不自由さを感じることもあります。
契約期間満了後に車をもらえるプランもありますが、返却が必要なプランよりも月額料金が割高になる傾向です。そのため、利用目的と月額費用のバランスを見てプランを選択しましょう。
カーリースの月額料金は車種やグレード、契約期間により異なります。上級グレードを選択したり、契約期間を短めに設定したりすると高くなるため、一定額だからと油断せず無理なく支払える範囲の料金設定を意識しましょう。
なお、カーリースは原則途中解約ができません。中途解約には違約金が発生する可能性もあるため注意しましょう。
カーリースでも車のローン同様に契約前に審査が行われます。車のローン審査よりかは厳しくありませんが、収入に不安がある方は審査基準を事前に確認しましょう。
現在借入がある場合は、返せるものから返しておき、返済比率を下げておくと審査に通りやすくなると考えられます。
まとめ
カーリースに関してのエキスパート集団です。カーリースに関する様々な疑問にお答えしていきます。