車を維持するのに必要なお金は、ガソリン代や保険料だけではありません。安全に乗り続けるためのメンテナンス費用も欠かせない維持費の一つです。
とはいえ、どれくらいの金額が必要で、どうやったら節約できるのか、分からない人も少なくないでしょう。
この記事では、これから車に乗ろうと考えている方に向けて、メンテナンス費用の相場感や節約方法について紹介します。また、その他にかかる維持費についても紹介するため、この記事を読めば、車の維持に必要な費用の大枠が分かるでしょう。
車にかかるメンテナンス費用を知ろう
車にかかるメンテナンス費用はパーツごとに様々です。部品代や作業代によって金額は構成されていますが、各部分でどれくらいの金額が必要になるか分かっていれば、業者に依頼する際の目安をつかみやすくなるでしょう。
この記事では、メンテナンスが必要な理由やパーツごとの費用相場、点検頻度について紹介します。
車のメンテナンスが必要な理由
車のメンテナンスは安全に乗り続けるために欠かせません。もし定期的な点検を怠ってしまえば、様々な不具合を見過ごすことになるでしょう。
例えば、外装の劣化であったり、タイヤのひび割れによるバースト事故であったり、見た目だけでなく命の危険につながるような事故が起こるかもしれません。また、エンジンの不調など様々なリスクが伴います。
自分だけでなく、周囲の人やモノが事故に遭わないためにも、定期的に車の調子を確認することが重要です。
車のメンテナンス費用の相場
ここからは、車のメンテナンス費用について紹介していきます。
部品や場所ごとに、どの程度の頻度で実施すればよいのか、どのくらいの金額がかかるのかが分かるでしょう。
今後、車を手に入れてカーライフを楽しむためにも、ぜひ参考にしてください。
洗車は外観をきれいに保つために定期的に実施したいメンテナンスの一つです。定期的に洗っていれば、良い状態を長く維持できるでしょう。
また、見た目をきれいにする以外の効果も期待できます。海岸沿いや海に近い場所に住んでいる場合、潮風による塩害のリスクは避けられません。ボディ表面に付着した塩をこまめに洗い流すことで、錆被害を軽減できるでしょう。
おすすめの頻度は、3週間に1回です。
ガソリンスタンドやカー用品店での手洗い洗車を利用する場合、1回あたり2,000円から5,000円が目安です。機械洗車の場合は1,000円から4,000円をみておけば良いでしょう。
自分で行う場合は、洗車場を利用すれば500円、自宅で行えば水道代や洗剤の購入費用で済みます。
エンジンオイルとオイルフィルターは車を動かすために重要です。
オイルが汚れていたり、量が少なくなっていたりすれば故障の原因になります。また、フィルターが汚れていれば、ろ過ができないため、故障につながるでしょう。
定期点検や給油時に交換を勧められることもありますが、言われたままに交換すると思いのほか高額だったケースも散見されます。そのため、交換時期については自分でも把握しておきましょう。目安は半年~1年です。
費用については、カー用品店やガソリンスタンドではオイル代が2,500円、そこに工賃が1,000円かかるため、合計3,500円ほどが相場です。また、フィルターは500円前後から購入できます。工賃も1,000円くらいですので、オイルと同じタイミングで交換すると良いでしょう。
ウォッシャー液はフロントガラスの汚れを取り除くために必要な液剤です。
交換目安は洗車のタイミングで残量を確認すると良いでしょう。
カー用品店やガソリンスタンドで補充をお願いすると500円~1,000円で対応してもらえます。
車検時に補充してもらえることもありますが、メンテナンス費用として計上されているケースもあるため、思いのほか高額になっている可能性も少なくありません。
液剤はカー用品店で販売されているため、自分で購入し補充することもできます。自分で済ませられれば商品代金のみで済むため安上がりです。
ブレーキオイルは減速や停車をスムーズにするために欠かせません。状態が悪ければブレーキが利かず、安全性に問題が起きるでしょう。
交換時期は2年に1回の車検に合わせて行いましょう。または定期点検時に茶色く濁っていれば交換してもらいましょう。
費用相場は工賃を含めて6,000円程度かかります。部品が専門的かつ、車の安全性に直結する部分であるため、必ず専門業者に作業を依頼しましょう。
車のタイヤは車体を支える重要な役割を担います。また、走行性能にも直結し、走る・止まる・避けるために欠かせません。
ゴムがひび割れていたり、溝が浅くなっていたりするとバースト事故やスリップ事故につながる危険性があります。また、空気圧も少なすぎると燃費に影響を及ぼします。車の維持費を下げるためには適切な圧力の維持が重要です。
タイヤの寿命は3年~5年です。また、溝の深さは1.6mmは残しておかなければならないため、ひび割れの有無も含めて日ごろから状態をチェックする癖をつけましょう。
タイヤは大きさによって値段が変わるため、一概に費用相場を算出できません。工賃を含めて費用を確認してから業者に依頼しましょう。
廃タイヤの処分代金は1本あたり300円~500円が目安です。
雨天走行時に必要なワイパーゴムは、水はけが悪くなってきたり、ワイパーから異音がしたら交換を検討しましょう。
走行時の視界を確保しなければ危険に晒されるため、交換時期を見誤らないようにしなければなりません。ゴムの状態にもよりますが、目安としては1年に1回程度の頻度で交換が必要です。
ガソリンスタンドで交換してもらう場合、フロントガラス側の2本で1,500円~2,000円、リアガラス側の1本も合わせると2,500円~3,000円程度かかります。
バッテリーは車の起動に必要です。また、カーステレオやエアコンの動作にも関わっています。
車検時に交換するケースが多く、車検代に含まれているため費用感をつかみにくい方も少なくないでしょう。とはいえ、重要なパーツかつ交換に専門的な技術を要します。自分ではメンテナンスできない部分になるため費用の相場感を知っておくことが重要です。
交換の目安は3年から4年に一度です。もしくはヘッドライトが暗くなったり、エンジン音がおかしくなったりした場合は点検してもらいましょう。
ガソリンスタンドやカー用品店で交換してもらう場合、部品代は4,000円~6,000円ほど、工賃は2,000円ほどかかります。
クーラントやラジエーター液はエンジンのオーバーヒートを防ぐ役割があります。また、エンジンが錆びないようにする効果もあるため、切らさないように注意しなければなりません。
ボンネット内のエンジンルームそばに補充するケースが設置されています。自分でも補充できるため、費用削減につながるでしょう。
交換時期は2年に1回程度です。ラジエーター液の交換を業者に依頼すると、
商品代金が1,000円~2,000円、工賃が8,000円前後かかります。また、クーラントと合わせると合計12,000円前後かかります。
車内の臭いやカビ、雑菌の繁殖を防ぐために必要なパーツです。そのため、定期的に交換しましょう。
エアコンフィルターを交換すると燃費も向上するため、維持費を抑えたい場合に注目したいパーツの一つです。また、自分でも取り付けられるため、コスト削減のためにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
交換時期は1年に1回、もしくは10,000kmの走行ごとに行うと良いでしょう。
カー用品店やガソリンスタンドで交換した場合、費用は3,000円~5,000円ほどかかります。
エアフィルターはエンジンに取り込む空気をろ過する役割を担います。エンジンに粉塵やごみが入り込まないようにするため、汚れが付着しやすく、定期的な交換をおすすめします。
交換時期は5,000kmを走るたびに交換すると良いでしょう。とはいえ、使用頻度によります。
専門業者に依頼すると、フィルター代が3,000円、工賃が1,500円ほどかかります。
車のメンテナンス費用を抑える方法
ここからは、車のメンテナンス費用を抑える方法について紹介していきます。
最近は全ての物の値段が上がっており、小さなところからコストカットする意識が必要になりました。それは車の維持費に対しても欠かせません。
「心がけ」だけで始められる内容ばかりであるため、紹介した内容を意識することから始めると良いでしょう。
メンテナンス項目の中には、わざわざ専門業者に依頼しなくても自分で済ませられることもあります。
例えば、洗車やタイヤの空気圧の確認、ウォッシャー液の補充、ワイパーの交換、エアコンフィルターの交換が該当します。
少しのコツや慣れは必要かもしれませんが、部品の費用しかかからないため、工賃部分を節約できるでしょう。
また、交換したばかりであれば車検時や法定点検時にその旨を申し出れば、余分なサービスを省いてもらえ、費用の削減につながるかもしれません。
急発進や急ブレーキなど、「急」とつく動作は車に大きな負荷をかけます。
負荷がかかり続ければ、各パーツの消耗も激しくなるため、交換時期の目安よりも短いスパンでメンテナンスしなければなりません。その結果、部品代や工賃などが余分にかかり、費用が大きくかさむでしょう。
発進時はゆっくりとアクセルを踏み込んだり、車間距離を十分とって早めにブレーキを踏み始めたりするなど、小さな意識からはじめていくことが重要です。
業者によって部品代は大きく変わりません。ただし、ディーラーについては純正品を使うため、他の業者に比べると若干高額になりがちではあります。
しかし、大きく異なる点は工賃などの作業料です。とはいえ、安ければすべて良いわけではありません。安さを前面に押し出しているものの、サービスレベルが低かったり、技術が未熟だったりした場合、メンテナンス後のデメリットは計り知れません。
適正価格でサービスを提供している業者を選ぶ観点で相見積もりをとりましょう。
点検時に洗車や車内洗浄、コーティングを提案される場合が少なくないでしょう。しかし、自分でできるような内容であれば断ることも必要です。
コストを抑えたい場合にはメンテナンスが始まる前に実施項目と料金を確認し、不要なものはないかチェックする癖をつけましょう。
車の維持にかかる費用
メンテナンス費用に焦点を当ててランニングコストについて紹介してきましたが、点検費用以外にもランニングコストとして計上される項目はいくつかあります。
コストの全体像を把握するためにも、それぞれの項目にどれだけの費用が必要か知っておくと良いでしょう。
ここからは、車の代表的な維持費用について紹介します。
ガソリン代は車を動かすために欠かせません。車格によって必要となる量は大きく変わるため、一概には言えませんが、満タンにすると4,000円~5,000円程度必要です。
さらに、ハイオクガソリン、レギュラーガソリン、軽油のどれかで1リットル当たりの単価は大きく変わります。また、燃費性能によっても総額は大きく変わるでしょう。
自動車税は地方税に含まれる税金です。そのため、必ず支払わなければならないお金です。
自動車を定置している場所を管轄する都道府県に対して所有者が支払いを行います。
徴収されるタイミングは「車を購入したタイミング」と「車検ごと」の2つがあります。
保険料は「自賠責保険」と「任意保険」の2種類があります。
自賠責保険は、車検のたびに支払う強制加入の保険です。金額も法律で決まっているため安く抑えられません。一方で、任意保険は費用を抑えられます。
任意保険は、民間の保険会社が商品として取り扱っており、補償内容を含めて会社ごとに金額は異なります。最近ではWeb見積もりサービスを展開している会社もあるため、比較検討しやすい点も特徴です。
月額払いより年額払いの方が総額を抑えられるため、保険会社と支払い方法を検討しましょう。
車検は2年に1回受けなければならない点検です。車検に通らなければ公道を走れないため、避けられません。とはいえ、車検を受ける場所によって金額は変わるためコストを抑えやすいポイントです。
車検費用は大きく3つの項目から構成されています。作業料金と代行費用と点検費用の3つです。申請書類の作成や申請に関する代行費用と点検費用についてはどの業者でも代わりません。作業料金については業者によって金額が異なるため、複数業者に見積もりを出してもらい、検討すると良いでしょう。
任意保険は名称通り、加入するもしないも自由です。しかし、加入しないことによるデメリットが大きいため、必ず加入しておきましょう。具体的なリスクは次の通りです。
・対人賠償保障金額が少ない
・対物賠償や搭乗者の傷害には対応できない
保険料は各会社によって異なるため、コストを抑えたい場合は所有車の使用頻度や利用目的に合わせて比較検討しましょう。
カーリースはメンテナンス費用が含まれている場合も
ここまで、車のメンテナンス費用やそれ以外の維持費について紹介してきました。それぞれのお金は、支払うタイミングが異なり、一度に必要な金額もバラバラです。余分に支払うリスクや費用を準備しておくハードルが高いため、困っている人にとってはカーリースの利用をおすすめします。
カーリースは、リース会社から車をリースしてもらい、乗り続けるサービスです。月額料金を支払えば希望の車に乗れるため注目を浴びています。
カーリースのプランの中にはメンテナンス費用が含まれているものと含まれていないものがありますが、含まれているプランで契約しておけば緊急の出費がなくなります。なぜならば、メンテナンス費用までも月額料金に含まれているためです。
車関連のお金について管理する負担が軽くなるため、カーリースの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ

カーリースに関してのエキスパート集団です。カーリースに関する様々な疑問にお答えしていきます。