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車両価格は昨今の物価高に合わせて上昇し続けています。そのため、多くの方は車を購入する際にカーローンを活用していると思います。
しかし、何かしらの理由によってローンの審査に落ちた場合、ほぼ車の購入を断念せざるを得ません。
そこで、当記事ではローン審査に落ちた時にキャンセルはできるのか、またローンにまつわる売買契約の条件や注意点について紹介します。
車のローン審査に通らないと売買契約はキャンセルされる
結論として、カーローンを使って車を購入する方がローン審査に通らなかった場合、契約はキャンセルされます。
売買契約は一度締結するとキャンセルできないように考えられていますが、支払い能力がない方に車の販売はできないためキャンセルは必然です。
車の購入に向けてローン審査に出したものの、何らかの理由で審査に落ちた場合はキャンセルの手続きを踏み、事態の改善に努めましょう。
車の購入やローンをキャンセルできるタイミング
車の購入をやめたい場合や、車のローンが通らず購入をキャンセルする場合は、タイミングが決まっているため、早めに行動する必要があります。
ここからは、車のローンをキャンセルできるタイミングについて説明していきます。
車のローンをキャンセルできるタイミングは原則として、契約成立前までです。
車のローンは、仮審査→本審査→契約と進みますが、この「契約」前にキャンセルを申し出る必要があります。
キャンセルにおけるタイミングはディーラーローン、銀行ローンなど機関を問わず同じです。何らかの理由から車の購入やローンを中止したい場合は、契約の締結前に融資先や車の購入先に連絡しましょう。
そもそも車のローン審査に通らなかった場合は、契約がキャンセルされます。支払い能力がない場合、車の購入が難しいため改めて支払い方法や車の所有方法を検討する必要があります。
ローンに通らなかった場合は、頭金を用意して借入金額を抑えたり、車の購入を見送ったりといった対応が必要です。
もしも「ローンに通らないかもしれない」と不安な場合は、事前にその他の選択肢を検討しましょう。
キャンセルのタイミングとして注意したいのは「融資完了後」です。
融資完了後は、金銭消費貸借契約を結んだタイミングで「お金をこれからお貸しします」という契約を取り交わしているためキャンセルは不可能です。このタイミングでは信販会社や金融機関が手続きを進めています。
ただし、例外として認められるケースも一部あります。お金の融資について民法587条の2の第2項では、「書面でする消費貸借の借主は、貸主から金銭その他の物を受け取るまで、契約を解除できる。」との記載があります。そのため、実際に融資金を受け取る前に場合によっては、キャンセルできるケースもあります。
しかし、この文面には続いて「貸主は、その契約の解除によって損害を受けたときは、借主に対し、その賠償を請求できる。」との内容があることから、キャンセルができた場合でも、賠償金が発生する可能性があります。
融資まで進むと車の販売先や融資先は手続きを進めており、大きな損害が発生するため、賠償金という形で不利益分を相殺しなければなりません。
融資が始まってから、どうしてもキャンセルしたい場合は賠償金を視野に入れた判断が大切です。
ローンの種類によってキャンセルできるタイミングは異なる
ここからは、カーローンを取り扱う業者別に、ローン審査中のどのタイミングなら売買契約をキャンセルできるか紹介します。
車のローンをキャンセルできるタイミングは業者ごとに異なります。審査が進めば進むほどキャンセルしづらくなるので、キャンセルしなくて済むように資金の準備や車選びをしておきましょう。
銀行系の金融機関が融資するカーローンであれば、仮審査の結果が出たタイミングまでは手数料もかからずにキャンセルできます。このタイミングであれば、本審査や本契約までに至っていないからです。
また、銀行によっては契約書類に記名および押印していたとしても、契約手続きが済んでいなければキャンセルできるケースもあるようです。
ちなみに、仮審査の有効期限は1~3か月を目安に設定されています。この期間を過ぎると本審査に進めなくなるため、もし有効期限を超えたタイミングで本契約を希望するのであれば、再度仮審査を申請しましょう。
ディーラーが提供するカーローンは、銀行系ローンと契約成立のタイミングが異なるため、キャンセルのタイミングも異なります。
ほとんどの場合、次の2つのパターンに分類されますが、正確なタイミングはいつになるかは必ず確かめておきましょう。
①信販会社から販売店へ、融資の承諾を通知したタイミング
②販売店から信販会社へ、立替払いの契約を申し込んだタイミング
②に関しては、信販会社が立て替えに応じないケースもあるため、その場合は売買契約を含めて不成立となります。
車の売買契約をキャンセルするタイミング
ここからは、車の購入においてキャンセルできるタイミングを紹介します。
車のローンにおけるキャンセルは融資前までが原則でしたが、車の購入はタイミングが異なります。
車の購入を決める場合は、キャンセルしない前提で資金の調達や車種選びをしましょう。
車の購入は「契約が成立しているかどうか」でキャンセルの可否が変わります。
車の購入をあらわすステータスとして、「契約前」「メーカー発注前」など様々なものが挙げられます。
新車の場合であれば、契約前にメーカーへ発注する可能性もありますが、どのタイミングにおいても、契約を結んでいなければキャンセルは可能です。
一方で、メーカーに対して発注前であったとしても契約自体を結んでいる場合はキャンセルが難しいでしょう。
どうしてもキャンセルしたい場合は販売先と相談し、合意の上で進めます。
先述の通り、売買契約締結前であればキャンセルができます。契約を結んでいない場合はまだ権利や義務が発生していないためです。
車を購入する際は、契約前に販売会社とじっくり話をし、グレードやカラー、オプションなど具体的な購入イメージを固めていきます。
しかし、どれだけ話を詰めたとしても契約に進んでいなければ「購入を見送ります」と伝えることが可能です。
「担当者の方に丁寧に接客してもらったから」「話をする中で購入意欲が高まったから」と、勢いのみで契約に進むと「やはり資金が足りずキャンセルしなければいけない」とあとになって後悔したり、手続きが困難になったりします。
車を購入する場合はくれぐれも慎重に判断しましょう。
今回紹介した売買契約の成立は販売店ごとに異なります。
参考として、一般社団法人日本中古自動車販売協会連合会が提示している「JU自動車売買注文書」では、契約成立のタイミングが以下の内容になっています。
- 自動車登録が行われた日
- 自動車を引き渡した日
登録が行われた日や引き渡し日は、異なることが多いでしょう。また、売買契約成立日は「サインした日」と考える方も多く見られます。しかし、実際には上記のような具体的なアクションが基準となっています。
売買契約後にキャンセルできる条件
ここからは、売買契約後にどうしてもキャンセルしたい場合の条件について紹介します。
原則、契約締結後であればキャンセルはできません。しかし、これから紹介するパターンに当てはまった場合のみキャンセルできるため、どうしてもキャンセルしたい場合には条件に該当するか確かめましょう。
契約後にキャンセルできる条件として、キャンセルに関する規定が契約書内に記載されていることが挙げられます。
売買契約書には、契約解除の可否や中途解約ができる条件について記載されているケースが多いです。その条件に合致するような事象に当てはまればキャンセルできます。
中途解約ができる条件として、キャンセルできる場合の車の状態や期限、必要な手続き、購入者が負担しなければならない費用などが契約書に記載されているのが一般的です。
契約書に記載のある条件でキャンセルする場合、キャンセル手続きの手順についても契約内容に従わなければならないため、自分の思った通りにキャンセルできないと覚えておきましょう。
購入した車が、カタログに記載されているような本来の性能や品質に不備がある場合、つまり瑕疵が発覚した場合は契約締結後であってもキャンセルできます。
瑕疵が発覚した場合、民法562条が適用され、契約内容不適合責任を売主側は問われます。
しかし、瑕疵の内容には品質や性能に関する状況以外は含まれていません。そのため、フロントガラスの傷やボディの塗装の欠けなどは瑕疵に該当しないため注意しましょう。
未成年が車を購入する場合は法定代理人の同意が必要なため、同意がない場合はキャンセルできます。
未成年とは18歳未満の方を指しており、法定代理人は親権者を指しています。そのため、親権者の同意を得ていない契約を結ぶと民法5条の定めにより契約を取り消せます。
しかし、次のような場合であればキャンセルできないため注意しましょう。
- 未成年者ではあるが既婚者でもある場合
- 契約後の成人になり、一部料金を支払った場合
- 契約後に成人になり、事実を追認した場合
- 未成年者であるものの、成人と偽って販売店をだました場合
- 営業許可証を受けている仕事に従事している未成年者が仕事のために購入した場合
車の売買契約をキャンセルする際の注意点
ここからは、車購入についてキャンセルせずに済むよう注意したいポイントを4つ紹介します。
キャンセルは自身のストレスだけでなく、購入先や融資先にも負担をかけます。気持ち良く取引するために、購入前はじっくり検討しましょう。
車は新車中古車問わず高額の買い物のため、失敗すると支出面で大きな負担を強いられます。そのため、車の見積もりが出た時点で自身の収入や毎月の収支状況と照らし合わせて「本当に購入しても問題ないか」をいま一度確認しましょう。
もしも車の購入が難しいと考えた場合は、資金が貯まるまで公共交通機関を利用したり、カーリースを活用する選択肢もあります。無理な購入は生活を逼迫するため、他の方法も選択しましょう。
なお、カーリースであれば初期費用をおさえて車を利用できます。月額料金で期間を決めて車に乗れるため収支に見通しを持ちやすいでしょう。また、車検をはじめとしたメンテナンス代を月額料金に含められる点もメリットです。
ローンの仮審査から本契約までの流れの中でキャンセルができなくなるタイミングとできないタイミングは必ず把握しておきましょう。
基本的にキャンセルができるタイミングは売買契約を結ぶ前です。売買契約が結ばれるタイミングは販売店ごとに異なりますが、自動車登録が行われた日や自動車を引き渡した日が契約締結日になるケースが多いです。
また、基本的にはキャンセルできないと考えましょう。キャンセルしなくても済むように納得したうえで購入を判断することが望ましいです。
契約後にキャンセルしてしまうと違約金やキャンセル料、損害賠償金が発生してしまうリスクがあることを理解しておきましょう。
契約書内の約款には、キャンセルに関する事項を記載しています。契約書に署名や押印する前に必ず内容を確認することをおすすめします。
車のローンに通らない場合はカーリースも検討しよう
ここからは、カーローンの代替手段として、カーリースを活用する方法について紹介します。
ローン審査に落ちた場合、再審査の依頼も手段のひとつですが、方向を変えてカーリースを活用するのもおすすめです。
カーリースはリース業者から車をリースするサービスです。3年や5年、7年と期間を決めて月額料金を支払うことで車に乗れます。リース期間中は車の所有者がリース会社になるため、契約者は使用者に該当します。
カーリースの月額料金は、契約時に残価を設定し、車両本体価格から残価を引いた価格を契約年数で割って毎月支払います。また、カーリースの月額料金には次の項目が含まれます。
- 車両代金
- 自賠責保険
- 自動車税、重量税
- 車両登録に関する代行費用
- メンテナンス費用
- 車検費用
ガソリン代以外の費用が月額料金に含まれている点もカーリースの魅力の一つです。
一方で、走行距離に上限が設定されている点には注意が必要です。月単位で上限が定められているため、超えてしまった分に関しては最終清算時に追加料金を請求されることがあります。
また、カーリースは原則、途中解約ができません。事故に遭遇し廃車になった場合など、致し方ない状況であれば契約を中断できます。
カーリースの車はリース会社から借りているものなので、改造やカスタマイズができない点にも注意しましょう。
車のローン審査と比べて基準は優しく設定されていますが、カーリースにも審査があります。審査に通らなければリース契約は結べません。
初期費用も不要で、月々の支払いの見通しも立てやすい点がカーリースの最大のメリットですが、紹介した注意点については理解したうえで利用を検討しましょう。
購入のように初期費用がいらず、月々の支払いが一定である点が魅力的なカーリースですが、次のような人に適しているサービスです。
カーリースの特徴は、ガソリン代以外の費用を月額費用のみで賄えるため、月々の支払いを抑えられる点です。
車を購入する場合、初期費用以外にも乗り出した後には自動車税や法定整備などまとまった出費が定期的に発生します。このような突発的な支払いを抑えられるため、カーリースを活用することで安心した家計の管理ができます。
車を購入する場合、ローンを活用しても現金で一括購入しても、ある程度のまとまった金額を用意しなければならず、予算面で欲しかった車を妥協せざるを得ない状況が多々あります。
しかし、カーリースであれば初期費用などまとまったお金を用意せずに希望の車に乗れるため、欲しい車をあきらめることが少なくなります。
車に乗るのであれば定期的なメンテナンスが必要です。しかし、車の知識に乏しい場合、どんなメンテナンスをいつすべきか分からないこともあるでしょう。
そこで、カーリースのメンテナンスパックを申し込んでいれば、メンテンナンスの管理をリース会社に一括で任せられます。メンテナンスに必要な費用も月額料金に組み込めるため、費用面でも手続き面でもメンテナンスに関連する手間を省ける点がカーリースのメリットです。
まとめ
カーリースに関してのエキスパート集団です。カーリースに関する様々な疑問にお答えしていきます。