個人事業主として仕事をしている場合、事業に必要な車を購入するかリースするかで迷う方が多いのではないでしょうか。

車を購入すると大きな初期費用が必要になるため、カーリースの利用も選択肢に入ってくるはずです。しかし、個人事業主の場合、「カーリースの審査に通るかどうか不安」という声も聞かれます。

審査の基準や諸費用、経費処理の方法など、様々な疑問もあるでしょう。この記事では、個人事業主がカーリースの審査に通るかどうかを明らかにし、利用時の注意点やカーリースのメリットなどについて広く解説します。

カーリースは個人事業主でも審査に通る可能性がある

カーリースは個人事業主でも審査に通る可能性がある
カーリースの審査に個人事業主でも通るかという疑問に対して、結論から言えば十分審査に通る可能性はあります。

審査に通るには、安定して一定以上の収入があるかどうかが非常に重要です。個人事業主としてカーリースを利用する際、収入が安定していれば審査に通る確率は高くなります。

また、信用情報に問題がないことも大切です。そのため、過去3年間の決算書や確定申告書のように、安定した事業を継続していることを証明できる書類の提出を求められる場合があります。

安定した収入とクリーンな信用情報という条件を満たしていれば、個人事業主でも高い確率で審査に通るでしょう。

個人事業主は「個人」「法人」どちらかで審査

個人事業主でも、安定した収入が証明できれば審査に通る可能性が高いですが、「個人」か「法人」のどちらで審査を受けるかによって内容に違いがあるため注意が必要です。

リース料金の引き落とし口座の名義が個人名義の場合は個人リースとして、法人名義であれば法人リースとして審査され、それぞれで審査の基準が異なります。

引き落とし口座が個人名義の場合

車を事業で使用する場合でも、個人名義の口座から料金の引き落としをするのであれば、個人リースとして審査される点を押さえておきましょう。

個人リースの審査における重要な判断要素は、年収や信用情報、事業の継続年数などです。事業での年収200万円以上が一般的な基準とされ、過去数年間の収入が安定していることも求められます。

また、クレジットカードやローンの支払い履歴などの信用情報も審査の対象となるため、支払いの遅延や料金の滞納がないことが重要です。

引き落とし口座が法人名義の場合

引き落とし口座の名義を法人にしているのであれば、法人リースとして審査を受けることになります。

法人リースで審査されるのは、個人の年収や信用情報ではなく、法人(会社)の経営状況や財務状態です。

法人リースの審査では、経営が安定して継続していることが重視されるため、過去数年分の決算書や確定申告書の提出を求められます。黒字経営が続いていなければ、必ず審査に落ちるということではありませんが、経営状況が良いほど審査に通りやすくなるのは間違いありません。

また、事業の継続年数も重要な要素であり、法人設立から間もない場合には信用力が足りないと判断されるケースもあります。

個人におけるカーリースの審査基準

個人におけるカーリースの審査基準
カーリースの料金が個人名義の口座から引き落とされる場合は「個人リース」として審査されますが、その際の具体的な審査基準について、明確にはわからないという方も少なくないでしょう。

ここでは、個人におけるカーリースの審査基準について詳しく解説します。

年収

審査では、リース料金を継続的に支払う能力があるかが重視されるため、個人事業主の年収は非常に重要な要素です。一般的には、年収が200万円以上あることが、カーリースの審査に通るための目安と考えられています。

また、収入が安定していることも審査の対象であり、過去3年ほどの収入を証明するために決算書や確定申告書の提出を求められることが多いでしょう。

ただし、安定した収入を得られる職業に就いていることが重視されるため、個人事業主の場合は、年収や事業の安定性をより厳しくチェックされることもあります。

信用情報

個人リースの審査において、年収と並んで重要なのが信用情報です。

信用情報機関に登録されている、過去の借入額や返済履歴、滞納の有無などが確認され、クレジットカードの支払遅延やローンの滞納があると、審査で大きなマイナスとなります。

信用情報には、自己破産や任意整理などの金融事故も記録されているため、審査を受ける前に自らの信用情報を確認しておくことが大切です。

信用情報に問題がなければ、審査に通る確率は高まります。

勤続年数

勤続年数は、ある企業や組織に継続して勤務した期間を指し、信用力を測る重要な指標となります。

カーリースの審査においても、勤続年数が長いほど収入が安定していると判断され、審査に通りやすくなる傾向があります。

個人事業主の場合、事業を開始してからの年数が重要です。一般的には、3年以上にわたって事業を継続していると、収入が安定していると判断されやすくなります。

長期間安定した収入があり、信用情報にも問題なければ、個人リースの審査に通る確率は高いでしょう。

法人におけるカーリースの審査基準

法人におけるカーリースの審査基準
法人名義でカーリースの審査を受ける際には、個人名義の場合とは異なる審査基準が適用されます。

法人リースの場合は、会社として安定した経営を続けており、カーリースの料金を滞りなく支払えるかが重要な要素です。

ここでは、法人リースの審査基準について具体的に解説します。

経営状況

法人としてカーリースの審査を受ける際に、経営状況は非常に重要な要素と言えます。

カーリースの料金を安定して支払う能力があると証明するため、過去3年分程度の決算書や確定申告書、登記簿謄本などを提出するのが一般的です。この際に、赤字経営や不安定な経営が続いている会社では、審査通過が難しくなるでしょう。

会社の事業内容を確認される場合もあるため、リース車を事業にどう利用するかも説明できるようにしておく必要があります。

事業の継続年数

長く続いている会社ほど、安定した経営がなされているとみなされるため、審査に通るためには事業の継続年数も重要です。

事業の継続年数が長ければ、それだけ審査に通りやすくなるわけではありませんが、設立して1年に満たない法人の場合は、経営の不安定さが理由で審査にマイナスの影響を与えることもあります。

審査を通過するには、ある程度長期間にわたって、安定した事業を継続していることが大切です。

債務残高

法人向けカーリースの審査に通るためには、リース以外に抱えている借入や債務の残高が少ないことも重要な要素です。

債務残高が多い場合は、リース料金の支払能力に疑問を持たれ、審査結果に悪影響を与える可能性があります。

債務残高には、以下のようなものが含まれるため、リースを申し込む前に残高をよく確認しておく必要があります。

  • 金融機関からの借入金
  • 仕入れで発生した買掛金
  • 取引により生じた未払金
  • 債務整理の履歴 など

債務残高の総額が事業の利益に対して高過ぎれば、審査を通過するのは難しくなるでしょう。

信用情報とはなんですか?
信用情報とは、クレジットカードやローン契約に関する支払履歴や借入状況など、金融取引に関する顧客データを指します。
信用情報の管理は信用情報機関が行っており、支払いの遅延や料金の滞納、債務整理などの事故情報が登録されてしまうと、新たなローン契約やリース契約が難しくなる場合があります。

カーリースで審査に通過できなかった場合の対処法

カーリースで審査に通過できなかった場合の対処法
安定した収入がない場合や信用情報に傷がある場合など、カーリースの審査に通らない状況でも、カーリースが必要になる場合があるでしょう。

そのような状況でも、絶対にカーリースを利用できないわけではなく、なんらかの対策があるはずです。

ここでは、カーリース審査を通過できなかった場合の対処法について考えてみましょう。

債務を減らす

収入で賄いきれないほどの債務がある場合、多くのケースでカーリースの審査を通過することが困難です。

審査の時点で、抱えている借入金額や負債総額が大きすぎると、支払能力に欠けるため審査では大いに不利になります。

そのため、まずは現状を見直し、返済可能な債務を減らしていくことが有効な対策です。現在の借入総額や毎月の返済額を確認し、無理のない返済計画を立てましょう。

また、金利が高い債務から優先的に返済するのも有効です。高金利の借入金を早めに返済することにより、利息の負担を軽減できます。

これにより、債務の返済スピードを挙げられる点もメリットです。

財務状況を見直す

支払能力があることを示し、カーリース審査を通過するためには、現在の財務状況を見直すことも重要です。無駄なことに出費がかさんでいないか、削減できる固定費はないかなどを調べ、カットできる部分を明確化しましょう。

また、不要な資産があれば売却するのも、財務状況を見直すために有効です。資金に余裕を持たせることで、支払能力があることを証明できます。

さらに、収支のバランスの見直しも必要です。自社の財務を適切に管理し、リース会社に支払能力を示すことで、カーリースの審査を再び受ける際、プラスの評価につながるでしょう。

頭金を用意する

初期費用や頭金がいらないのがカーリースのメリットですが、頭金が用意できるのであれば審査通過の確率をアップさせることが可能です。

そもそも頭金を設定できないリース契約もありますが、設定できる場合は月々の支払負担額を減らすために利用するのが良いでしょう。

頭金を払うことで、初期費用を負担できる能力を示し、月々の支払計画も安定するため、審査に通過しやすくなります。

一度審査を受けて通らなかった場合は、ある程度の頭金を用意してから、再度カーリースの審査を申請してみましょう。

カーリースのプランを見直す

申し込んだカーリースのプランが高額で、現在の経営状況では支払が困難と判断された場合には、プラン自体を見直すことをおすすめします。

審査に通らなかったら、リースのプランやリース車種、車のグレードなどを見直し、自分にとって手頃なプランに変更することが有効です。

例えば、自社の業務遂行に必要でない、高額な車両やグレード、オプションを選んでいる場合は、それらを削減することにより月々の支払額を抑えられるでしょう。

支払いの負担が減ることで、リース会社にとってのリスクも軽減され、審査に通りやすくなります。

カーリースが個人事業主に適している理由

カーリースが個人事業主に適している理由
カーリースは、車の購入と比較して様々なメリットがあり、個人事業主にとって大きな魅力です。

個人事業主がカーリースを利用することで得られる、具体的な利点にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、3つに絞って解説します。

1.初期費用をおさえられる

カーリースを利用することによって、車を購入する場合に必要な初期費用を大幅に削減することが可能です。

車を購入する場合、車両本体の代金だけでなく、各種登録費用や税金などを含む多くの初期費用が必要になります。カーリースを利用すれば、それらの初期費用を月々の支払額に分割できるため、一度に多くのお金を使わずに済むでしょう。

また、頭金を支払わなくても良いプランが多いため、余裕を持った資金計画が可能です。

事業の運転資金を効率良く活用できる点が、個人事業主にとって大きなメリットとなります。

2.経費計上ができる

個人事業主がカーリースを利用する場合、リース料金を事業の経費として計上できる点が大きなメリットです。

月々のリース料金を経費として処理でき課税所得を減らせるため、大きな節税効果が期待できるでしょう。また、車を維持するためにかかる、オイル交換やタイヤの点検、ガソリン代も経費に計上できるなど、車の使用にかかる費用全体を管理しやすくなるのも利点です。

さらに、車両を購入した場合は、確定申告する際に減価償却費を計算して経費計上しなくてはなりませんが、カーリースではその必要がありません。

3.費用管理の手間を省ける

多くのカーリースでは、月々のリース料金に車両のメンテナンス費用や、車検の際に必要な費用が最初から含まれているため、費用管理の手間が大幅に省けるというメリットがあります。

また、自動車税や重量税の支払い、任意保険の加入なども一括で管理できる場合が多く、車の利用にあたって予想外の出費に悩まされるリスクも最小限です。

費用管理を自分でしなくてはならない個人事業主にとって、管理の手間が省けることは非常に大きな利点と言えます。

カーリースの利用によって、事業に使う車に関する多くの手続きを一元化し、本来の事業運営にリソースを集中できるでしょう。

カーリースは全額、経費計上できますか?
リースした車を100%事業目的で使用する場合、その費用は全額経費として計上できます。ただし、事業用とプライベート用の両方に使用する場合には、使用割合に応じて経費を按分しなくてはなりません。
例えば、事業用として75%、プライベート用として25%使うのであれば、リース費用の75%を経費として計上可能です。

個人事業主がカーリースを利用するなら2つのポイントを意識

個人事業主がカーリースを利用するなら2つのポイントを意識
個人事業主としてカーリースを利用する際には、リース契約を結ぶ前に意識しておくべき重要なポイントがあります。

それは「複数のリース会社をチェックしておくこと」と「慎重にプランを選定すること」です。

ここでは、以上2つのポイントについて詳しく解説します。適切なポイントを意識しておくことにより、審査に通りやすくなり、より好条件でリース契約を結べるでしょう。

①複数のリース会社をチェックする

個人事業主としてカーリース契約を結ぶ前に、まずは複数のリース会社を比較し、それぞれの会社の審査基準や料金相場を把握しておくことが非常に重要です。

もしも1つのリース会社のみで契約を進めると、料金相場の基準がわからないため、お得なプランや自社にとって適切な条件を逃す可能性があります。

また、審査の基準もリース会社によってそれぞれ異なるため、あるリース会社では審査に通らない状況でも、別の会社では通過できる場合も少なくありません。

さらに、大手リース会社と地域密着型の小規模なリース会社でもサービス内容に違いがあります。

複数の選択肢を検討することにより、納得のいく契約内容に近づけるはずです。

②プランはじっくり考えて決定する

リース契約をする前に、選択するプランの内容を慎重に検討することが大切です。

必要以上に高額なプランを選んだ場合、月々の支払いに支障をきたし、審査に通りにくくなる可能性があります。

月々の支払いが大きな負担にならないよう慎重にプランを検討し、不要なオプション追加や上級グレードの選択は避けるのが無難です。

自社の事業に適した車種やプランを冷静に考え、余裕を持って支払える範囲内の契約を結びましょう。

大手と小中規模のリース会社はどちらが良いですか?
どちらを選ぶのが良いかは、事業の規模や車の使用目的によって異なります。大手リース会社であれば、取り扱い車種が豊富でサポート体制が充実している点が強みです。一方で小中規模のリース会社ならば、地域密着型の柔軟な対応や個別のニーズに合わせたプランなどに魅力があるでしょう。
一般的に、手厚いサポートなら大手を、個別対応を重視するなら小中規模の会社を選ぶことが推奨されます。

まとめ

①個人事業主でも安定した収入があり、信用情報に問題なければ、カーリースの審査に通る
②個人名義と法人名義で審査基準が異なるため、どちらを選ぶか慎重に検討する
③カーリースの料金は事業の経費として計上でき、一定の節税効果がある
④カーリースではメンテナンス費用や税金も月額に含まれており、費用管理に手間がかからない
⑤複数の会社や利用プランを検討することが重要

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グーネット定額乗りマガジン編集部
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カーリースに関してのエキスパート集団です。カーリースに関する様々な疑問にお答えしていきます。