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車の買い方が多様化してきており、「車を買う」から「車を借りる」という選択肢も出てきました。
カーリースを利用して車を購入(借りる)という方法が個人向けで利用可能となってきましたが、カーリースで車を利用する場合は通常の買い方とは違い「車の乗り換え」についてやや特徴があります。
そこで本記事では、カーリースで車を利用した場合の「乗り換え」という部分にフォーカスを当てて解説をするとともに、車の購入で失敗しないための方法についても紹介していきます。
カーリースで車を利用するときの特徴をおさらい
車の購入時にカーリースを利用することの最大のメリットは、毎月の支払いがずっと定額であるということです。
通常の車の買い方である、現金もしくはマイカーローンの場合、毎年5月に支払わなければならない自動車税や、新車3年以降2年ごとにやってくる車検の際に支払う自動車重量税や自賠責保険料などはその都度支払わなければなりません。そのため、支払いの時期に合わせてまとまったお金を用意する必要があります。
しかし、カーリースを利用した場合はリース契約期間中の税金や自賠責保険料を組み込んだ形で契約をするため、ずっと同じカーリースの料金を支払うことで車を維持することができます。そのため、毎年5月の自動車税のためや、2年に一回訪れる車検の時期に合わせてお金を貯めるという行為をしなくても済むということです。
また、カーリースの契約によっては定期的に行う点検やオイル交換、タイヤやバッテリーといった消耗部品の交換の費用や任意保険の保険料もカーリースに組み込むことができるようになるサービスもあります。
カーリースの契約をすると車に関する費用はすべてコミコミになるということです。
カーリースの契約満了時の選択肢とは?
カーリースには契約期間が設けられており、短いもので3年、長期間だと10年という契約が可能となっているものもあります。このカーリースの期間が契約満了となった場合にどのような手続きをとることができるのか確認をしていきましょう。
ここでは従来よりある、カーリース契約の満了時の対応で「新しい車に乗り換えるパターン」と「車両を返却するパターン」の2つの方法について紹介していきます。
カーリースの契約が満了した際の最もオーソドックスな方法は、新しい車に乗り換えるという方法です。
言葉では乗り換えという表現がわかりやすいですが、正式には「新たにカーリース契約を結ぶ」ということになります。
一般的には、カーリースの契約が満了したらその車両は所有者であるリース会社に引き渡すことになります。車をまだ使いたいという場合には、新しい車で新たなリース契約を結んで納車をしてもらうという方法がスタンダードです。
カーリースの契約が満了する数ヶ月前には、車をどうするかを判断する必要があります。
ちなみに、今契約している車が気に入っていて乗り換えたくないということもあるかと思います。そういった場合は車を買い取るということも頭をよぎるかもしれません。
一般的なリース契約の場合は、買い取りではなく同じ車でカーリースの契約を延長する「再リース」という方法をとることになります。
カーリースの契約が満了するタイミングで、もう車を使う予定がなかったり、ライフスタイルが変わったりしたなどで車が必要なくなってしまったという場合には、契約満了と同時に車両を返却して契約を終えるということもできます。
この方法はレンタルビデオなどと同じ理屈で「借りたものを返す」という考え方をすればわかりやすいかもしれません。
リース車両を返却する際に、気をつけておかなければならない点が2つあります。それは、「契約内容通りの車両状態であるか」という点と「傷の有無」です。
カーリースの契約を結ぶ際に、1ヶ月の走行距離の制限が設けられている場合があります。一般的なカーリースの契約だと1ヶ月1,000kmや1,500kmで契約をしているというパターンが多いです。
例えば、5年契約で通算60,000km以内であるかという点を確認されます。もし距離をオーバーしている場合は、1kmあたりといった単位で追徴金を支払う義務が生じる場合があります。
また、車両に大きな傷やへこみがある場合は「原状復帰」をしなければなりません。原状復帰とは「元の状態に戻す」という意味ですので、板金修理などをしてから車を返さなければならないということになります。
これら2点は車両の返却時に確認をされますので、気をつけましょう。
カーリースの契約期間中で乗り換えはできる?
例えば、カーリースを5年契約で利用しているとき、ライフスタイルの変化などで今契約している車よりも大きい、あるいは小さい車が欲しくなり乗り換えたくなるということもあるかもしれません。
通常の車の買い方であれば売却をして乗り換えれば問題ありませんが、カーリースの場合はどういった流れになっていくのか、乗り換えすることができるのかという点について解説します。
一般的なカーリース契約の場合、契約期間中に車を乗り換えることができない場合が大半です。
カーリースの契約において契約期間中に車を乗り換えるという行為は、基本的に「現状のリース契約を中途解約して新たなリース契約を結ぶ」ということになります。
だったら新たに契約をすれば問題ないのか、という話になりますが、裏にカラクリがあるということを知っておかなければなりません。
そのカラクリとは「契約残月数によって解約金の支払い義務が生じる」ということです。
解約金の金額は契約内容やリース会社によって異なりますが、解約金が「毎月のリース料×残月数」というパターンもあり得ます。
毎月50,000円で残り12ヶ月のカーリース契約を中途解約する場合に、600,000円の違約金が発生する契約もあり得るということになります。
あまり現実的ではないかもしれませんが、この違約金が支払えればいつでも中途解約ができるということです。
新しいカーリース契約の形として、一定期間が経過していれば乗り換えられるカーリースプランというのも出てきました。この契約方法であれば契約期間内であっても車を乗り換えることが可能です。
例えば、5年契約のカーリースで、初回車検から3年以降に、違約金なしで車両の乗り換えができる(カーリースの中途解約をして新しいカーリース契約を締結する)というプランを出しているカーリース会社もあります。
こういったプランでカーリース契約をすれば、急なライフスタイルの変化にも対応できますが、デメリットとしてリース料金がやや割高になってしまうという点があります。
ご自身の価値観によって決める内容ではありますが、こういった特徴があるということを覚えておいた方が良いでしょう。
事故で全損となってしまったときの解約金は?
中途解約をすると違約金が発生するリース契約の場合、大きな事故に遭ってしまって車が全損となり修理不能(=廃車)となってしまった場合はどのような流れになるのか確認をしていきましょう。
滅多に起きることはありませんが、車を運転している限り誰にでも事故は起こる可能性があります。
こういったケースの場合、カーリース契約は問答無用で中途解約となり、違約金を支払わなければなりません。そのため、車両保険でまかないきれない部分の損害については、実費となってしまう可能性があります。
しかし、リース契約に任意保険を組み込むことで、こういった場合に違約金を支払わなくても良くなる「カーリース専用の特約」を付与することができます。
カーリースの契約時においてはこういったリスクも考慮し、少し割高であってもリース専用の保険を契約して組み込むことが最善といえるでしょう。
カーリースの契約で失敗しないためにしておくべきこと
カーリースの契約は、従来通りの車の買い方とは異なります。ただ単純に毎月コミコミで支払い計画が立てやすいからといって安易に契約してしまうと、将来的に失敗してしまうかもしれません。
ここではカーリースの契約で失敗しないための2つの方法を紹介します。
一番大切なことですが、まずは車をどのような用途で使用するのかということを入念に考えておく必要があります。
毎日の通勤通学で車を使用するのか、それとも休日のレジャー目的で車が欲しいのかといった「車の使い道」をはっきりとさせることが重要です。
ただ漠然と車が欲しいから~といった理由でリースで買ってしまうと失敗してしまう可能性もありますので、よく考えることをおすすめします。
次に、車をどのような方法で買うのかということを知っておく必要があります。
具体的には従来通りの方法で現金もしくはマイカーローンで車を購入するのか、それともカーリース契約を結んで期間を絞って車を購入するのか、ということです。
最近は車の買い方が多様化しているだけでなく、複雑化している傾向があります。今まで通りの買い方以外にもリースやサブスクリプション、車を購入しないでカーシェアリングを利用するなど様々ですので、これらの特徴やメリットとデメリットについてよく勉強することで失敗の可能性を下げることができます。
カーリースの契約期間は基本的に長期間
カーリースの契約は、レンタカーのように時間単位で契約することも月単位で契約することはできません。
一般的なリース契約は3年から10年程度、最もオーソドックスな契約だと5年が主流です。人生において5年という年月はライフスタイルも変化しますし、社会情勢も変わってきます。
5年と聞くと短いように感じる方もいれば長いと感じる方もいるかと思いますが、この契約期間中に自分自身の周りで何が起こるのかをシミュレーションしてみるのもいいでしょう。
それによってどのような車を選べばいいのか、どのような車の買い方をすれば良いのかということを吟味してください。
カーリースと購入はどちらがお得か検討する
カーリースで車を利用するということは「リース会社から車を一定期間借りる」ということですが、最近多様化してきた車購入のスタイルと比較をして、自分自身にとってカーリースか購入のどちらがお得なのか検討してみることにしましょう。
ここで検討する比較材料として、車の買い方として定着してきている「残クレ」を例に挙げて確認をしていきます。
まずは、残クレ(残価設定型クレジット)の特徴について簡単に確認をしていきましょう。
残価クレジットの最大の特徴は、通常のマイカーローン購入よりも毎月の支払いを抑えられるという点です。
残クレは3年~5年(車種により6年)の契約をして、契約期間が終了した車の将来の価値を最終回に残価として据え置くことで、毎月の支払いを抑えられるという商品性があります。
ちなみにこの考え方はカーリースの契約でも同じ考え方をしていて、その車の残価を差し引いてリース料金を算出しています。
また、残クレは最終回支払いの対応を「新車に乗り換え」「車を返却する」「据え置かれた残価を支払って乗り続ける」の3つの方法から選ぶことができるのが最大の特徴で、前者の2つは残価分を支払う必要がありません。
残クレはカーリースの契約に似ているようではありますが、最後の選択肢が3つあるということと、最終的に車を所有することもできるという決定的な違いがあります。
残クレを簡単に説明するのであれば、カーリースのようでカーリースではない新しい車の買い方といえるでしょう。
カーリースと残クレの決定的な違いは「途中で解約した場合に違約金が発生するかしないか」ということです。
前述した通り、カーリース契約をしていて途中で解約をすると残り期間によって支払う違約金が変わってきますが、残クレの場合はマイカーローンの延長線上にある車の買い方なのでいつでも車を売却することができます。
例えば、ローン残高が250万円の残クレ契約車両を売却しようとした際に、ローン残高以上で車が売れれば持ち出し金はありません。しかし、逆の場合はその差額を支払えば車を手放すことができます。
一方リース契約の場合、契約期間中はずっと支払うリース料は変わりませんが、契約途中で解約すると莫大な違約金が発生してしまうためリスクが伴います。
表面上はカーリースも残クレも同じような車の買い方のように感じるかもしれません。しかし、それぞれ深掘りをしていくと大きな違いがあります。実は似て非なるものであるということを、頭の片隅にとどめておくことが必要です。
ここまでを読むと残クレの方が柔軟性があっていいと思う方もいるかもしれませんが、車を仕事道具として業務使用するのであればカーリースの方が圧倒的に有利であるとされています。
その理由は「税務処理をする際の考え方」によるものです。
車を現金もしくはマイカーローンなどで購入する場合は、「財産」として会計処理することになります。この場合、車本体の費用を経費として処理することができますが、100%経費として処理することができないケースも出てきます。
一方、カーリースの場合は財産ではなく「物のレンタル」として処理することができ、リース会社に支払うリース料は全額経費として処理することが可能です。
今まで通りの方法で購入すれば車は会社の資産となりますが、カーリースの場合は備品という考え方となります。
車を現金で買うかマイカーローンを組むか、それともカーリースを利用するかという選択をどうすればいいのか悩んでしまう方もいるかもしれません。ここでは、それぞれの選び方の基準について確認をしていきます。
最優先で考えていただきたいのが、「必ずこの期間は車を使う」という明確なビジョンがあるかどうかということです。
例えば、車を買って1年後に車が必要のない地域に引っ越す場合や、海外赴任が決まっているといった場合にはカーリースは向きません。
逆に、大学の通学で4年間必ず使うということが決まっている場合には、カーリースを利用するのも一つの方法です。
ご自身の生活スタイルの変化が決まった時期にあるのであれば、ライフスタイルに合わせた車の買い方をする必要があります。
中古車リースの特徴は
近年、中古車をカーリースで利用するというプランも出てきました。
今までは、カーリースの常識は「新車」ということでしたが、中古車を活用したカーリースが出てきたことで業界が変わりつつあります。
中古車リースの特徴は、リース料金が安価となる傾向が強いということです。車の価値は1年ごとに下がっていくので、中古車を活用することで費用が抑えられるようになります。
しかし、年数が経過している分、故障の可能性は高くなっています。メンテナンス費用は新車のカーリースよりも割高になる傾向があるということは、知っておいた方が良いでしょう。
まとめ
カーリースに関してのエキスパート集団です。カーリースに関する様々な疑問にお答えしていきます。