ローンと同様にカーリースの契約前には、リース代を支払えるかどうかを判断するための審査が行われます。審査に通過しなければ、カーリース契約が結べません。
審査に落ちないためにも、実際にカーリースの審査ではどのような基準があるのか知っておく必要があります。
さらに、審査に通らない理由や、通すためにはどうしたらよいかを把握しておくと、事前に対策も取りやすいものです。審査基準や対策を紹介するので参考にしてみましょう。
カーリースでも審査が行われる
カーリースは、本人に代わってリース会社が購入してくれた車を、月額のリース代を支払って借りて乗るという一種の賃貸借契約です。
マンションの賃貸借契約を結ぶ場合も、家賃の支払能力の有無を調べるための審査があります。それと同様に、カーリースでも契約に際しリース代が支払えるかどうかを調べるための審査が行われます。
もし経済力がなくてリース代の支払いが滞ってしまうと、カーリース会社も経営が苦しくなり困ってしまうでしょう。そのためにリース代の支払能力があるかをきちんと判断するための審査は、契約前に必ず行われています。
審査において支払能力がないと判断されると、カーリース契約が結べずカーリースも利用できません。
カーリース会社も経営を継続させていかなければならないので、継続してリース代を支払える能力のない方とは契約を結べないとしています。
カーリース審査の流れ
カーリースの審査の流れについて知っておきましょう。
- まず、カーリース希望の車種、契約期間、メンテナンスの有無などのプランを決めていきます。
- 次に、残価ありのプランなら残価を決めて、月のリース代を算出します。この時点でリース代の支払い能力の有無を調べる審査が行われるのです。
- 審査に必要な書類を提出後、審査結果が出るまではしばらく時間を要します。一般的に1~4日程かかると言われていますが、リース会社によっては1週間程度かかるかもしれません。
- 審査に通ればカーリース契約へと進むことになります。
その後は、契約書類を揃えて契約が締結し、リース車の登録手続きや輸送などが行われます。車が手配できたら、納車日に指定の保管場所まで車が運ばれて納車されるという流れです。
人気の車種だと車を手配するまでに時間を要することもありますが、契約から納車までは一般的に3週間~1ヶ月程かかると言われています。
カーリースの審査基準
カーリースの審査基準には、様々な項目があるので覚えておきましょう。
基本的に「リース代の支払い能力があるか」「契約終了まで継続して支払い続けることができるか」を判断する材料となります。この点はローンと同様です。
例えば、年収や安定した収入を得ることができる職業かです。継続してリース代を支払えるかを判断するために、勤続年数も考慮に入れます。
さらに、一番大事なのが信用情報です。クレジットカードの支払いなどが滞りなくなされているか、滞納していないか、過去に自己破産などの金融事故を起こしていないかも重要なポイントとなります。
また、他からの借り入れが多いとリース代の支払いが滞納する可能性があると思われるので、不安要素となってしまいます。
審査基準を知り、基準を満たしているかをチェックしておくと安心です。
カーリース契約期間中にリース代を毎月支払い続けるためには、安定した収入が得られる職業であることが大事です。公務員や会社員などが当てはまります。
逆に自営業や自由業は収入が不安定な職種とみなされて、審査では不利になるかもしれません。アルバイトや派遣社員などの非正規雇用者も審査でマイナス評価となる場合があります。
未成年の学生や専業主婦などは収入がないので、審査に通らないと思われがちです。しかし、保護者や配偶者の収入が安定しており、契約に際し連帯保証人となってもらえる場合は、審査を通すことができることもあります。
勤続年数に関しても、長く勤めていればそれだけ信用が高いと言えるので、審査ではプラス要素と判断されるでしょう。
非正規雇用者や自営業であっても、勤続年数が長ければ収入の不安定さをカバーできることもあります。
カーリースの審査において、職業と共に年収も審査基準の一つとなる場合が多いです。年収がいくら位あるかはリース代の支払能力を考える上での判断材料となります。
具体的にいくら年収があれば審査に通るかは明確ではありません。一般的には年収200万円以上が審査に通る基準だと言われています。
しかし、年収が200万円に満たなくても、即審査に落ちるというわけではありません。例えば、年収の他にも、どの位の資産を有しているかも考慮に入れられます。
土地など、担保にできる不動産を有している、収入の安定している連帯保証人を付けられるなど条件によっては審査結果が変わってきます。
また、リース代の総額が年収に見合っていると判断されれば、審査に問題なく通過する場合もあるでしょう。
毎月のリース代の支払額が収入における比率が低い場合など、無理のない支払い計画がきちんと立てられているかも重要です。年収が低くても支払い能力があると判断されることもあります。
「過去に借り入れをした経験がある」「クレジットカードの支払遅延がある」「未払いの税金がある」などの場合は、信用がないとみなされて審査で問題となることもあります。
これまでの色々な取引きにおいて、過去に支払うべき債務や税金などをきちんと期日までに支払っているかは、カーリース契約を結ぶ上でとても重要なポイントです。
いくら年収が高くても、安定した収入を得ていても、繰り返し支払いの遅延が未払いなどを繰り返し、金融事故を起こしているような人物は信用できません。カーリース契約を結んだとしても、同じようにリース代の支払遅延が起こるリスクが高いからです。
他にも自己破産や任意整理などを行うと、信用情報機関に記録されるので審査に通りにくくなります。概ね5年間は記録が残りますが、その後は消えるとされています。
ただし、その間はカーリース会社が信用情報機関に照会を行うと金融事故が明るみになるので注意しましょう。
審査に落ちる理由とは?
リース代の支払能力に不安要素があれば、カーリースの審査に通らない可能性があるので注意が必要です。一番ポイントとなるのが「債務履歴」です。
カーリース会社や信販会社などが信用情報機関などに照会すれば、「過去に自己破産をしている」「借り入れに対し返済が滞っている」といった債務履歴が分かってしまいます。
こういった信用情報は契約において最も重要だとされています。それは審査対象の財力もそうですが、支払う意欲の有無や誠実さを図る要素になるからです。
「他からの借り入れが多い」「リース代を継続して支払えない位年収が低い」「収入が不安定である」など、経済力も審査に通らない理由になってしまいます。
審査を受けたのに通らない場合の理由としては、まず債務履歴が考えられます。
クレジットカードなどの支払いが滞納もしくは遅延しているといった債務履歴は、信用情報機関に問い合わせるとすぐに発覚します。
「多額の借金を返済していない」「税金を滞納している」など、大きな金融事故を起こしている人物は、支払能力に疑問があるでしょう。そのため、リース契約を結ぶとしたら、カーリース会社は大きなリスクを冒すことになります。
そうまでして契約しても、結果的にリース代を滞納されて損することになればカーリース会社の経営も立ち行かなくなってしまいます。
さらに、住宅ローンに加えてカードローンを契約しているなど複数の金融機関から多額の借り入れがある状況では、支払能力の有無が問われることにもなりかねません。カーリース契約で信用情報が審査に通るかの大きなカギとなるのです。
会社員である程度安定した収入を得ていても、年収が極端に少ないとリース代を支払う能力がないとみなされて審査が通らない可能性もあります。
ただし、年収が少なくても勤続年数が長いなど継続的に決まった収入を得ていると信用されれば、審査に通ることもあり得ます。
逆に今は年収が高くても、定期的に転職を繰り返すため勤続年数が短いという方もいるでしょう。今の収入だけを見ていれば十分支払能力があると判断できますが、1年以内に職を変えるようでは収入が定まっているとは言えません。そうなると、勤続年数がまだ短い新卒の方は審査では不利になるかもしれません。
ただし、親が安定した収入を得ており、連帯保証人になってくれるなどの条件があれば審査に通ることも十分あります。
審査に通るための対策
審査基準を見ていると、自分の置かれた状況がどうしてもリースの審査に通らないと思う方もいるでしょう。そのため、カーリースを利用するのは「無理ではないかないか…」と、あきらめてしまう方もいるかもしれません。
しかし、審査に通すための秘策はあります。
まずは事前に信用情報などをよく下調べしておくことが大事です。支払遅延などの履歴は時が来れば消えるので、それまで待つのも一つの手です。
また、連帯保証人を付けることで信用度が増し、審査を通すことができる可能性もあります。
自分でクレジットカードや税金などの支払遅延や滞納がないかを確認しましょう。
特に、クレジットカードで引き落としになっている料金は、通帳残高がないとマイナスのまま、知らないうちに滞納状態になっている可能性があります。
また、支払遅延や滞納、自己破産の経験があれば信用情報の履歴に記録されているかもしれません。ブラックリスト入りしていると、カーリースの審査に通らない可能性が高いです。
債務履歴は5年ほど経過すれば記録から消えると言われています。そのため、履歴が消えるまではリース契約を結ばずに待つというのも一つの手です。
この信用情報は自分でも調べられます。情報機関は「全国銀行信用情報センター」「指定信用情報機関」「株式会社日本信用情報機構」などがあるので、情報開示を求めて確認しておきましょう。
学生や専業主婦など収入がない、アルバイトとして働いているなど収入が安定していないという方もいるでしょう。当然、カーリース契約の審査に通るか不安になるはずです。
そのままだと、やはり安定した収入を得るという条件を満たしていないので、審査には通らないかもしれません。安定した職にすぐに就くというのも、家庭事情などにより難しい場合が多いです。
しかし、自分自身は収入がない、安定した収入を得ることができなくても自分が支払えなくなった時に代わりに支払ってくれる人、つまり連帯保証人がいれば審査に通るかもしれません。
親や配偶者、親戚などで安定した収入を得ている、他からの借り入れも少なく支払いなどお金の管理もきっちりしている方に、連帯保証人になってもらうのも一つの手です。
カーリース会社はリース代の支払能力があるかが一番重要なので、本人に支払能力がなくても本人以外で支払能力がある方がいれば、担保にできます。
審査は総リース額に対し、カーリース契約希望者が支払いを継続できるだけの年収、安定した収入があるかを判断します。
年収を増やすことができないなら、総リース額を少し減らすという方法があります。つまり、収入におけるリース代の比率を低く抑えるということです。
例えばミニバンなどの車種にこだわるなら、別のメーカーの同じ車種で車両本体価格が安い車を探してみてください。また、同じ車種でもグレードを下げることで車両本体価格も下がります。
年収に見合わないハイグレードな車をカーリース契約するのは無理があります。背伸びすればその分リース代が高くなり、結局家計を圧迫してしまうでしょう。
審査に通らない可能性があれば、あらかじめ選ぶ車種やグレードに関しても多少妥協が必要です。オプションもあれもこれもつけすぎないで、必要最低限に留めることも審査通過に必要となってくるでしょう。
総リース額を少しでも減らすことは、審査の際に年収が低いなどの理由で通らない場合に効果的です。
カーリース契約期間中に支払うリース代を安く抑えるには、あらかじめ契約時に頭金を支払っておくという手段があります。
カーリースでは「頭金を収めてはいけない」ということはなく、カーローンと同様に前払いリース料という名目で頭金として支払いができるカーリース会社も多いです。
カーリース契約時に多少まとまったお金が必要になりますが、貯金があれば少し回すことも検討しましょう。
頭金を支払える貯えがあれば、年収が低めでも支払能力があると判断してもらえる可能性があります。
カーリースの契約前に審査で残念ながら落ちてしまった場合、もうリース車が利用できないと思われがちです。しかし、こういった場合は別のカーリース会社を探して審査の申請を行ってみることをおすすめします。
カーリース会社によって審査基準が異なる場合もあるので、1社のカーリース会社の審査に落ちても、別のカーリース会社の審査には通る可能性があるからです。
特にクレジットカード会社などの信販会社を通じて審査を行う大手のカーリース会社だと、信用情報などを詳しく調べるなど審査基準が厳しい傾向にあると言われています。逆に、信販会社を通さず、独自に自社審査を行うカーリース会社は多少審査基準も甘めだとされています。
また、通常はリース車は契約者と使用者が同一でなければなりません。しかし、中には家族なら同一でなくても問題ないというカーリース会社もあります。収入が安定している家族を契約者にして申込み、ファミリーカーで配偶者が子供に使わせるという手段もあるので検討してみましょう。
審査前に準備し、対策を立てておくと安心
自分の年収や安定性、収支のバランスが取れていないとカーリースの審査ではマイナス評価となってしまいがちです。
例えば、年収が高くても出費が多いと家計管理がうまくいっていない、リース代の支払能力が低いと判断されることもあります。収支のバランスについて事前に見直しておくことが必要です。
さらに、カーリースの審査では信用情報がポイントになります。クレジットカードの支払い遅延や未払いがあると、支払いに関してルーズだとみなされて審査に通りにくくなるでしょう。日頃から債務の未払いや遅延に関してはきちんとクリアしておくことが大事です。
心配な場合は、審査前に信用情報を調べる、審査に通らない可能性があれば連帯保証人を探しておくなど色々と下準備をしておくことをおすすめします。対策を立てておけば、いざ審査に通らないという場合でも慌てずに対処できるはずです。
まとめ
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