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中古車販売店には、金融機関などのローンより審査基準が低く、審査にかかる時間も短い、独自の「自社ローン」というものがあります。
店舗によっては車検費用の支払いにも自社ローンが利用でき、月々の支払い負担額も軽減可能です。一方で、利用できる店舗が限られていたり、店舗ごとに分割回数が決まっていたりといった制限もあります。
この記事では、車検の支払いに自社ローンを利用するメリットとデメリットや、自社ローンの審査に落ちてしまったときの対処法について解説します。
また、車検費用を節約する方法についても紹介するため参考にしてください。
車検の支払いにも自社ローンを利用できる!
自社ローンは車の購入時以外に車検費用の支払いにも利用可能です。
金融機関や信販会社のローンと異なる点は、審査基準のハードルが比較的低く、審査時間もあまりかからないことです。また、お金の貸付となる融資ではなく、費用の分割支払い契約であることが挙げられます。
ここでは、自社ローンの仕組みやその他のローンとの違いについて解説します。
自社ローンの仕組みとは?
自社ローンとは、主に中古車販売店で車の購入時に利用できる中古車販売店独自のローンのことです。「ローン」と呼ばれますが、その内容は費用の分割支払い契約を指します。
自社ローンの特徴は次の3つです。
- 中古車販売店が独自に審査基準を定めている
- 信用情報の取り寄せが不要
- 金利がかからない
中古車販売店が独自の審査基準を定めていますが、金融機関などの審査基準よりハードルは低く設定されています。また、審査する際に自社の独自基準のみで判定するため、信用情報機関から信用情報を取り寄せる必要がありません。
また、実態が費用の分割支払い契約のため、金融機関などのローンではかかる金利が自社ローンではかかりません。
金融機関のローンは、審査を経て銀行からお金を借りるものです。車検費用の支払いにも利用することができます。金利は1.5%~4%程度と低い傾向にあるため、他と比較した時に金利の低さが魅力的でしょう。
一方で、金融機関のローン審査は提出が必要な書類が多く、年収や勤続年数、信用情報なども必要です。これらの情報をもとに総合的に審査されるため審査基準が厳しく設定されており、手続き完了までに時間を要します。
また、もしも条件を満たせなかった場合は金融機関のローンを利用することが難しいです。
信販会社が提供するローンは、金融機関のものと比べて審査が早いのがメリットの一つです。また、ディーラーや車検専門店、カー用品店などが提携するローンがあります。この場合は車検などと同時にローンの申し込みができるため、1カ所で手続きを済ませることでスムーズに進められるでしょう。
気を付けるべき点は金利が4~8%と、金融機関のローンより相場が高いため手数料などを含めた結果、支払総額が高くなる傾向にあります。
車検の支払いに自社ローンを利用するメリット
車検費用の支払いに自社ローンを利用する主なメリットは、審査に時間がかからないことと、財布にやさしいという面があることでしょう。
自社ローンは金融機関などと違い信用情報が不要なため、審査に時間を要しません。また、金利がかからない点も他のローンと比較した時のメリットです。
ここでは、自社ローンを利用するメリットについて解説します。
自社ローンは中古車販売店が独自に審査基準を設けています。審査で重視されるポイントは現在の支払い能力があるかどうかという点です。
審査内容には収入状況や勤務状況、返済能力や自己資金などがあります。例えば、年収と車の購入代金のバランスから月々の支払いが無理のない範囲であるか、頭金をどの程度出せるのかという点をチェックされます。
また、他のローンと異なり信用情報が不要なため、過去に支払いが滞っていたり、ローン審査に落ちていたりしても比較的審査は通りやすいでしょう。
自社ローンは前述のとおり、ローンと呼ばれていますが実態は費用の分割支払いです。
クレジット決済でも分割支払いはできますが、その場合は毎月手数料がかかります。その手数料はクレジット会社によって異なりますが、一般的に12~15%程度です。
また、金融機関のローンの場合は金利がかかります。
これらの支払い方法と比較した時、自社ローンは金利や手数料が発生することなく、分割支払いが可能です。
中古車販売店で自社ローンを組んで車検を受けると、ディーラーで車検を受けるより費用を抑えられる場合があります。
ディーラーは安全性と自社ブランドを重視するため、車検時に部品の交換等が発生すると交換部品は基本的に純正のものとの交換です。そのため、費用が高くなる傾向にあります。また、ディーラーを通してローンを組む場合は月々の支払いに、さらに支払い手数料も毎月上乗せされます。
一方、中古車販売店で車検を受ける場合、部品の交換は基本的に質の良い中古品や代替品を利用するため純正品と比べると費用を抑えることが可能です。
自社ローンを利用することで、毎月の支払い負担を軽減できます。
車検費用は依頼先によっても異なりますが、少なくとも10万円前後はかかるでしょう。一括で支払うとその月の家計負担額は大幅に増えます。
一方で金融機関などのローンやクレジット決済を利用した場合は月々の支払額は抑えられますが、金利や手数料がかかることで総支払額は増えてしまいます。
自社ローンは金利がかかりません。そのため、ローンを組んで発生する金利やクレジットの分割払い・リボ払いで発生する高い手数料を回避できます。
自社ローンを利用することで、支払総額を抑えつつも車検費用の負担を月々に分割でき、毎月の家計負担額の軽減が可能です。
中古車販売店の車検対応はディーラーなどと比べて短期間で完了する傾向にあります。理由としては、次のようなものがあります。
- 見積りから点検・整備まで一貫した対応のため短時間での車検対応が可能
- 部品交換が必要な場合、店内の在庫を活用することで時間を短縮
これらの理由により、中古車販売店での車検対応は比較的早いと言えるでしょう。
また、部品交換にその車の純正品を必ず使うわけではなく、店内在庫を活用するため部品代の削減にも反映されます。
車検費用の内訳は「車検基本料金」「法定費用」「整備・部品交換費用」の3つで構成されています。法定費用に含まれる内容は、自賠責保険料や自動車重量税、印紙代です。これらは直接、国や自治体に納めなければならない費用であり、多くの店舗では自社ローンの範囲外です。
自社ローンを利用したい場合は、事前に店舗に車検費用を自社ローンで組めるか、また具体的なローンの対象範囲を確認する必要があります。
車検の支払いに自社ローンを利用するデメリット
中古車販売店で車検を受ける場合に自社ローンは活用でき、そのメリットについて説明してきました。その一方で、デメリットもあるため注意が必要です。
ここからは、車検の支払いに自社ローンを利用するデメリットについて解説していきます。
多くの中古車販売店では、自社ローンによる車検費用の支払いが可能です。ただし、自社ローンを提供している全てのところが車検費用の支払いに対応している訳ではありません。そのため、中古車販売店に事前に確認する必要があります。
中古車販売店で実施される車検は短期間かつ費用を抑えて受けられます。時間や費用を節約したい人におすすめですが、自社ローンで車検費用を支払いたい場合は、必ず店舗へローンの対象範囲を確認しましょう。
自社ローンを利用する時は分割回数や支払いタイミングを事前に確認しましょう。
自社ローンを提供するところにより、分割可能回数や支払いタイミングが異なります。また、事前に自分の資金計画を立てて、月々の支払いが滞らないように上手く自社ローンを活用することで、毎月の家計負担額を軽くできます。
自社ローンは車検費用全てをカバーできる訳ではありません。法定費用は自社ローンの中に含められない場合が多くあります。
法定費用の内容は「自賠責保険料」「自動車重量税」「印紙代」です。
自動車重量税は国税にあたります。国税は期限内に納付するのが難しい場合、税務署長の承認を受けて、期限後に分割して納付できる猶予制度がありますが、そのような例外を除いて、基本的に一括支払いです。そのため、法定費用は自社ローンのカバー対象外になることが多く、カバー範囲は自社ローンを活用する時に事前に確認が必要な点です。
保証人になる場合は、成人していること、雇用状態と収入面が安定していることが必須条件です。また、ローン契約の保証人であるため、お金の返済が滞るなどの金融事故の履歴がない、住宅ローンやその他で多額の借り入れをしていないという点もクリアしなければなりません。店舗によって異なりますが、保証人を必要としない場合、その代わりに保証会社を利用することが一般的です。
自社ローンの審査に落ちてしまったときの対処法
自社ローンの審査基準は金融機関などのローンと比較した場合、審査基準のハードルは低い傾向にあります。しかし、万が一に自社ローンに落ちてしまった場合、他の支払い方法で対応しなければなりません。
ここでは、自社ローンの審査に落ちた時、現金一括支払い以外の支払い方法について、解説します。
車検費用はクレジットカード支払いも利用できます。一括支払い、分割支払いを選べ、支払いタイミングを遅らせることで、余裕を持てるでしょう。
ただし、クレジット決済の分割支払いは手数料がかかり、支払い回数を増やすほど手数料はかかるため注意が必要です。
その他、クレジットカードの利用可能枠を超えていたり、支払いが遅延していたりするとクレジットカードが利用できない場合もあります。
また、店舗によってはクレジットカード支払いができなかったり、分割支払いができなかったりする場合もあるため注意しましょう。
金融機関のマイカーローンでは車の購入以外にも車検費用の支払いに利用できる場合があります。
カードローンやフリーローンよりも低金利であることが多く、返済しやすいというのがメリットです。
金利は低いですが、その代わりに審査基準は厳しく、時間もそれなりにかかります。車検期日までに時間がない場合、審査が間に合わず支払いに間に合わなくなってしまう恐れがあります。
車検期日までに余裕がある人にとっては選択肢の一つです。
消費者金融のカードローンは使い道が自由なため、車検費用の支払いに利用できます。
審査基準が金融機関の内容より緩和されていることが多く、資金使途確認書類の提出も不要なため、審査時間が短く、素早く融資を受けられる点がメリットです。また、カードローン提供会社によっては、はじめてカードローンを利用する人向けに無利息期間が設けられている場合もあります。
ただし、注意しなければならない点は、金利が高く設定されていることが多いため、トータルでは支払いコストが上がります。そのため、事前に返済計画をしっかりと立てておくこと重要です。
車検を受ける店舗のローンを利用するのも方法の一つです。この場合は店舗が提携している信販会社を利用します。
審査にかかる時間が短く、審査も通りやすいのがメリットです。また、法定費用を含んだ費用の全額をローンに組み入れることも可能な場合が多く、現金で一括支払いや法定費用のみを現金で当日支払うのが難しい人にはおすすめです。
注意すべき点は金融機関のローンと異なり金利が高めに設定されているため、トータルの支払いコストが上がってしまうことを念頭に検討しましょう。
車検費用の支払いのためにローンを組まない方法としては、現金支払いの他にカーリースの利用という選択肢があります。
カーリースとは、契約期間中の税金や自賠責保険料などの維持費用を含めた定額料金を毎月支払うことで車を利用することです。
カーリースには「ファイナンスリース」と「メンテナンスリース」の2つに大別されます。
ファイナンスリースは、車を所有する上で必ず発生する税金や諸費用を含めた金額を毎月定額で支払います。
メンテナンスリースは、ファイナンスリースの内容に加え、車検などのメンテナンス費用を含めた金額を毎月定額で支払うため、車検時に支払いは発生しません。
車検費用を節約する方法
車検費用は「車検基本料金、」「法定費用」「整備・部品交換費用」の3つで構成されています。
法定費用はどこで車検を受けても変わることはありません。一方で、車検基本料金は依頼店舗によって異なります。また、こまめにメンテナンスをしていないと整備・部品代が想定よりかかるでしょう。
ここでは、法定費用以外の部分で車検費用を節約する方法を解説します。
車検費用を抑えるためには、点検項目数を絞ったり、部品交換を必要最低限にしたりすることが最も効果的です。
店舗によっては車検の項目数を多く設定している場合があります。また、先々で部品交換する必要性があるため、車検時に併せて部品交換を提案されることもあります。
見積りを取った際などに、事前にどのような費用が含まれているのかを確認し、必要な点検や部品交換について業者と交渉するのも一つの手です。
ドライバーが行うべき日常点検やメンテナンスを日ごろからこまめにすることで、車検時の点検項目数や部品交換や修理箇所を減らすことが可能です。
日ごろからこまめに点検することで、車の異常に気付きやすくなります。また劣化したパーツなどはカー用品店で安く購入し、整備場を併設しているカー用品店であればその場で交換対応もしてくれます。
このように日ごろの点検とこまめな部品交換やメンテナンスすることが車検費用の節約方法の一つです。
車検の基本料金は、業者によってかなり金額が違うため、複数の業者から見積りを取りましょう。
ディーラーであれば安全性を重視するため、点検項目も多く設定されています。また、部品交換にも純正品が使用されるため費用が高くなる傾向があります。
一方で、中古車販売店や民間の整備工場では、部品交換は純正品に代わる部品で費用を抑えることが可能です。
車検費用を少しでも抑えたい場合は、複数の業者から見積りを取り、サービス提供内容に差がない場合は最も安いところを選ぶことで車検費用を節約できます。
車検費用の節約の方法として、エコカー減税もあります。
エコカー減税とは、燃費や排出ガス性能に優れた自動車に対して、自動車重量税を免税や軽減する制度です。対象車種や割引率は国土交通省の基準によって決められていますが、電気自動車に加え、ハイブリッドカーやガス排出量が少ないガソリン車も多く適用されています。
このように環境への負担が少ない対象車種は、エコカー減税制度により車検時などにかかる自動車重量税が25%から最大は全額免除といった節税が可能です。
まとめ

カーリースに関してのエキスパート集団です。カーリースに関する様々な疑問にお答えしていきます。