車のメンテナンスには様々な項目があり、安心してドライブを楽しむためには定期的な点検が重要です。メンテナンス箇所は、車の走行環境や車種によっても適切な交換時期が異なります。
しかし、車のメンテナンスは何をするものなのか、具体的には分からないという方も多いでしょう。
この記事では、自分でできるメンテナンス項目から業者に依頼するメンテナンス項目まで細かく紹介し、なるべくメンテナンス費用を抑えるためのコツも解説します。
車のメンテナンスは何をするのか把握しておこう
車を快適に乗り続けるためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。しかし、具体的に何をすればよいのか分からない方も多いと考えられます。
適切なメンテナンスを行うためには、必要な作業やその頻度、費用の相場を把握しておくことが重要です。
この記事では、車のメンテナンスにおいて必要な作業を具体的に解説します。さらに自分で対応できるものと業者に依頼すべき項目を分けて紹介するため、車のメンテナンスでお困りの方はぜひ参考にしてください。
車のメンテナンスの重要性
車は購入したら終わりではなく、長く乗り続けるには定期的に手入れをしておく必要があります。車検は2年に1度の頻度で行われますが、2年と持たずメンテナンスを必要とする項目もあるため、車検だけでは不十分であるのが実態です。
日頃のメンテナンスを怠っていると、重大な事故の原因になってしまったり、修理により高額な費用が必要になってしまったりします。
定期的にメンテナンスを行っていると、車の寿命を延ばせられるでしょう。
日常的にチェックすべきメンテナンス項目
日常的に車の状態をチェックしておくことで、車の不調にすぐに気付くことが可能です。「エンジン音がいつもと違う」「エンジンのかかりが悪い」というような不調を感じたら、放置せずに早期に対応することで、大きなトラブルを未然に防げます。
ここからは、エンジンまわりや運転席など、日常的にチェックすべきメンテナンス項目について紹介します。

- エンジンオイルの汚れ、量
- ウィンド、ウォッシャー液の量
- ブレーキオイルの量
- 冷却水の量
- バッテリー液の量
ウォッシャー液やオイル、冷却水などは、車を使用していくうえで自然と量が減ってきてしまうものです。それぞれ簡単に適量が確認できるため、プロに依頼するタイミングを見極めるためにも定期的に自分でチェックしておきましょう。
エンジンオイルには、オイルレベルゲージを差し込むことで、オイルがどの位入っているか見て確かめられます。ほかのブレーキ液や冷却水、バッテリー液も容器に「FULL」と「LOW」の目盛りが付いており、個人でも簡単に適量を調べることが可能です。
走行直後はエンジンが熱を持っている状態です。安全に点検を行うためにも、走行前か走行後にしばらく時間を置いてから点検を行いましょう。また、オイルの点検は、服を汚してしまうおそれがあります。作業着など汚れても構わない服で作業することが好ましいでしょう。

- タイヤの空気圧
- タイヤの損傷や亀裂、摩擦による擦り減り
- ランプ類の点灯
- ワイパーゴムの劣化
車にはあらゆる部品がありますが、タイヤは車自体の重さや乗員・荷物を支えて走る、唯一地面に接する部品です。タイヤの空気圧はタイヤに異常がなくても、自然に低下してしまいます。そのため、良い状態を保つためには定期的に空気圧の点検、調整を行う必要があります。
タイヤの空気圧は、高すぎても低すぎても性能を発揮できません。カー用品店やガソリンスタンドなどで無料で充填器を借りられるため、自分で空気圧の調整を行いましょう。また、空気圧をチェックする際にタイヤに損傷がないか、溝は適正な深さであるか確認しておくこともポイントです。
ランプ類の点灯やワイパーゴムの劣化のチェックも、安全に運転を行ううえで大変重要です。特にリアランプや雨の日にしか使用しないワイパーは、ドライバーが不調に気付きにくいため、定期的に確認を行うことをおすすめします。

- エンジンのかかり具合や異音の有無
- サイドブレーキの踏みしろ
- ブレーキペダルの踏みしろ、かかり具合
- エンジンの低速・加速の状態
- ウィンドウォッシャー液の噴射状態
- ワイパーの拭き取りの状態
運転席に座って、あらゆる操作が正常に行えているかもチェックしておきましょう。エンジンをかけたとき、スムーズにエンジンがかかるか、異音はしていないか見ておくことが重要です。
また、ブレーキペダルやサイドブレーキは柔らかすぎても固すぎても、不調に当たります。ブレーキのかかりが悪いと、重大な事故につながるおそれもあるため、違和感を覚えたら早めに修理に出す必要があります。
アクセルペダルを踏み込んだとき、引っ掛かりなくスムーズにエンジンが回転しているかも併せて確認しておきましょう。
ウィンドウォッシャー液が適切に噴射されているか、ワイパーは正常に作動するかもこまめにチェックしておくと安心です。いざというときに正常に作動しない事態を回避するためにも、定期的に状態を確認しておきましょう。
一般的にエンジンオイルは5,000~10,000km走行ごとに交換することが推奨されています。普段あまり車に乗らず、5,000km走るのに1年以上かかるという方は、半年を目安にするとよいでしょう。
また、タイヤの空気圧のチェックはひと月に1度のペース、ブレーキパッドの点検は半年に1回のペースが目安です。
業者に依頼すべきメンテナンス項目
車のメンテナンスは、専門知識を持ったプロでないと判断が難しいケースもあり、セルフメンテナンスだけでは不十分です。
業者に依頼すると費用は多少かかってしまいますが、より安全に車を使用できます。ディーラーや整備工場、ガソリンスタンドなど様々な場所でメンテナンスが受けられるでしょう。
ここからは、業者に依頼すべきメンテナンス項目について紹介します。
エンジンオイルは、車の部品のなかでも頻繁にメンテナンスが必要です。
前回のメンテナンスから走行距離が5,000~10,000km走ったタイミングか、3ヶ月~半年経ったタイミングのどちらか早いほうでの交換が推奨されています。
エンジンオイルは車の血液のような役割があり、古く汚れた状態のオイルを使い続けると、ほかのエンジン部品に不調が生じてしまいます。
カー用品店でもオイルが販売されており、自分で交換することも可能ですが、古いオイルの処分に手間がかかってしまうため、業者に依頼することがおすすめです。
オイルエレメントは、エンジンオイルを循環させる際に、エンジンオイルの汚れを除去する役割があります。
劣化したオイルエレメントを使用し続けると、汚れを除去する効果が薄れてしまい、エンジン内部に汚れや不純物が紛れ込んでしまうおそれがあります。
オイル交換をしても、オイルエレメントが古いままだとよりよい効果は得られません。一般的には、エンジンオイルとセットでメンテナンスをするか、オイル交換2回に1度のペースでの交換がおすすめです。
ブレーキパッドは、ブレーキを踏み込んだときにタイヤと共に回転する「ディスクローター」を挟み込んで回転を抑える役割があります。
ブレーキパッドは消耗品で、劣化したブレーキパッドを使用し続けると、ブレーキが利きにくくなってしまいます。
ブレーキパッドの交換目安は、新しい物に交換してから30,000~50,000km走行したタイミングです。しかし、運転の仕方や道路の状態の影響も受けるため、定期的にチェックしてもらいましょう。
ブレーキフルードとは、油圧式ブレーキの内部に入っているオイルのことです。ブレーキオイルとも呼ばれており、ブレーキ性能を維持する役割があります。
エンジンオイルと同様に、ブレーキフルードも定期的な交換が必要です。ブレーキフルードの交換の目安は、おおよそ2年に1度の頻度です。ブレーキフルードの寿命は短くはありませんが、交換を怠ってしまうと正常にブレーキペダルを踏み込む力が伝達できず、事故を招いてしまうおそれがあります。
車検のタイミングが2年に1度であることから、車検のタイミングでブレーキフルードを交換する方も多いでしょう。
冷却水は、エンジンの温度を下げてオーバーヒートを防ぐ役割があります。エンジンは始動すると、ガソリンを燃焼させるため内部がとても高温になります。そのままの状態にしておくと、エンジンの故障、炎上や爆発を起こしてしまうリスクもあり大変危険です。
このような事故を防ぐために、冷却水はエンジンの高温になる部分を循環するように造られており、エンジンの熱を奪います。冷却水自体が劣化してしまうため、交換と補充を適切に行うことが重要です。
冷却水の交換目安は、2年に1回といわれています。
バッテリーは、エンジンを始動させるときのエネルギーを供給するほか、ヘッドライトやナビなどの電装品を動かすときにも電気の供給を行う役割があります。
バッテリーが動かなくなってしまうと、車を動かすことはできなくなってしまいます。
バッテリーの交換は、2~5年に1回が目安です。自分で交換することも可能ですが、ハイブリッドシステムの車は手順が困難であることや、古いバッテリーの処分に手間がかかってしまうことから、業者へ依頼することをおすすめします。
タイヤは前輪と後輪で摩擦の進行具合が異なります。フロントタイヤはショルダー部(タイヤの外側)の摩擦が起こりやすく、リアタイヤはセンター部(タイヤの内側)が摩耗します。タイヤを長持ちさせるためにも、定期的なローテーションが必要です。
ローテーションの目安は5,000km走行ごととされており、フロントタイヤとリアタイヤを交換します。
一度に複数のタイヤ交換を行う必要があるため、個人で行うには負担が大きく業者への依頼がおすすめです。
ホームセンターやカー用品店では、様々なメンテナンス用品が販売されており、業者に依頼するよりも費用を抑えられることから自分でやってみようと考える方も多いでしょう。
急いで適当にメンテナンスをしてしまうと、手段を誤っていたり怪我をしてしまったりするおそれがあります。作業時間をしっかりと確保し、説明書通りに行うことがポイントです。
車のメンテナンスを依頼できる業者
車のメンテナンスを行う業者は数多く、行きつけの業者が決まっていない方にとっては、どこに依頼すればよいか迷ってしまう方も多いでしょう。
業者によって内容や料金が異なるため、自分に合った業者を見つけることが満足なメンテナンスを受けるために大変重要です。
ここからは、車のメンテナンスを依頼できる業者について紹介します。
お手持ちの車を購入したディーラーで、メンテナンスを受けられます。
ディーラーでメンテナンスを受けるメリットは、メーカーの純正パーツを使用し、車両に精通したスタッフが整備を行ってくれることです。消耗品も純正部品を使ってくれるため、汎用品は使わずに純正品にこだわりたい方に適しています。
まだ使えそうな部品も交換を勧められたり、純正品は汎用品に比べて価格が高く、結果費用が高額になってしまったりすることがデメリットです。
個人経営や中小規模の整備工場では、ディーラーでは対応終了してしまったような絶版車や、カスタマイズ車にも対応してくれる場合があります。メーカーや車種を問わずに対応してくれることが、整備工場のメリットです。
消耗品や交換部品は、希望すれば中古品を活用してくれる場合もあり、なるべく費用を抑えたい方に適しています。
少数精鋭で運営している整備工場が多く、整備士の技術やメンテナンス日数にバラつきがあることがデメリットです。
カー用品店では、取り扱っている交換部品が豊富にあるため、好みや予算に合わせて利用できます。全国各地に展開しており、事前予約をしていなくても、当日対応してくれることがメリットです。
予算に合わせて柔軟に対応してくれるため、メンテナンス知識があまりなく担当者と相談しながら依頼したい方に適しています。
電気系やトランスミッションなど、専門的な箇所は高度な技術が必要になることから、対応を断られてしまう場合があることがデメリットです。
普段利用しているガソリンスタンドでも、メンテナンスを受けられます。オイル交換やタイヤ交換が手軽にでき、給油ついでに点検ができる利便性の高さがメリットです。
「行き慣れた場所で依頼したい」という方や、「なるべく時間をかけずにスピーディーにメンテナンスを済ませたい」という方に適しています。
近年では、セルフサービスのガソリンスタンドが増えてきたことから、メンテナンスサービスの受付時間が限られている場合があります。ガソリンスタンドで点検を希望する際は、事前に対応時間などを確認しておきましょう。
故障前にメンテナンスを行っていれば数千円の費用で済んだものも、故障してしまい修理費用が数十万円となってしまう可能性もあります。そのため、車のメンテナンスは適切に行いましょう。
メンテナンス費用を抑えるためのコツ
車のメンテナンスは、メンテナンス箇所も多いことからトータルで見ると高額になってしまうこともあります。せっかく車を持っていても、「メンテナンスにお金がかかって出かける余裕がない」となってしまっては充実したカーライフとはいえないでしょう。
ここからは、メンテナンス費用を抑えるためのコツを紹介します。
一見どれも複雑そうに見える車のメンテナンスですが、しっかりと手順通りに行うと案外簡単に自分でできる項目も多くあります。
ウォッシャー液の補充や、ワイパーゴムの交換などは、比較的経験の少ない方でも手軽に行えるでしょう。
無理は禁物ですが、あれもこれも業者に任せた状態だと、家計を圧迫してしまうおそれがあります。カー用品店などで販売されている交換部品の説明書を確認して「自分にもできそう」と感じるものから、取り掛かってみると良いでしょう。
メンテナンスにかかる料金設定は、業者によって様々です。信頼できる業者を選ぶことで、品質と費用の予測がしやすく、安心してメンテナンスを依頼できるでしょう。
無料で見積もりを取ってくれる業者は、料金体系の透明性が高く、高額な請求をされる心配がありません。より安く業者を利用するには、複数の場所で見積もりを取ってもらい、比較してみることもおすすめです。この際、無料で見積もりは出せないという業者は避けておきましょう。
定期的にメンテナンスを行うことで、車の異常を早期に発見でき、出費を最小限に抑えることが可能です。また、普段からメンテナンスをしているという気持ちが持てるため、より安心してドライブを楽しめるでしょう。
定期的なメンテナンスを行っていなかったからといって、車が動かなくなるというよなケースはごく稀です。しかし、状態によっては車検が通らないことから、車検のタイミングでまとまった費用を支払うことになるでしょう。
大きな支出を免れるためにも、定期的なメンテナンスが有効です。
カーリースのメンテナンスパックは、車両代金や自賠責保険料などのほかに、メンテナンス料金も予め含まれていることが特徴です。
メンテナンスにかかる費用を定額で支払っていることから、まとまった費用を準備する必要がありません。急な出費がかさむことがなく、家計の生計を立てやすいことがメリットです。
カーリースのメンテナンスパックは、維持費を抑えて車を所有したい方に適しています。カーリースの業者によって、料金体系が異なるため、事前によく確認しておきましょう。
まとめ

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